タカラヅカメモ

全組観劇のライトファンによる宝塚感想置き場。

東京遠征

「一回くらい東京でも見よ(ついでに花組も見てこよ)」って思って東京遠征決めたら、まさかの台風直撃! 果たして明日、無事に飛行機は飛ぶんですかねえ。行きはともかく、帰る頃に関西直撃っぽいんだけど(何とか進路逸れるか、上陸遅れてくれないものか)。

飛行機よく乗るタイプじゃない(基本関西圏オンリーのゆるファンだし出張もほとんど行かない)ので、イマイチこういう時の運航状況がつかめなくて無駄にアワアワしてる。北京空港で12時間の乗継待ち(ベンチで爆睡)とか、クアラルンプール空港で出発5時間遅れ(床で爆睡)とかそういうのは経験あるんだけど、国内線だとそういう感じじゃないんだろうか……イマイチ謎。

とりあえず行きさえすれば観劇はできるし、帰れなかったらその時はその時、かなあ(行かないという選択肢は当然ないのです)。まあ、一番の心配は明日の朝四時起きが可能なのかってことなんですけど。

あと、東京15時公演見てから20時15分羽田発で帰るというマジキチ工程組んじゃったので、台風のこと抜きにしても乗換が超心配(東京の午後公演が15時半開演なことに気付いた瞬間、血の気が引いた)。田舎者なので東京の電車で間違えない自信がない!

ホント、やり慣れないことやるとダメですね。

 

マラケシュ新人公演とかトークスペシャルとか諸々/CSめも

トークスペシャル「朝夏まなと桜乃彩音

若い。とにかく若い。声が高くて可愛い。でもところどころに今の面影もあって、(下級生モードってだけで印象はいくらか違うけど)喋り方はわりと今と変わらない。面白い。自分の映像を見た後に(照れ隠しっぽく)「わーお」って言うのがとっても朝夏まなとだった。あと、「最近可愛いって言ってるの気付いてる?」って桜乃彩音に言って、「もう、バカ」って感じに叩かれてるのもめちゃくちゃ朝夏まなとっぽい(あと「あの場面、可愛いよね」って言った朝夏まなとに「衣装がでしょ」ってツッコミつつ照れる桜乃彩音がめちゃくちゃ可愛かった)。いやあ、いいね!いいね!!いいね!!!

「(まだ入学する前、寮の説明を聞きに行くときに桜乃彩音と目が合って)同じ匂いを感じた」「田舎から出てきた子」「宝塚のことを何も知らないまま入っちゃった子」って表現してたのが面白かった。朝夏まなとってわりと私の中ではシティボーイなイメージなので(でもって若い頃の映像見ても特別「垢抜けたな~」って感じでもないので)意外な感じでもあるし、そんな二人が二人ともトップになるんだから余計面白くもある。

二人が同期ということもあって、結構遠慮がない感じでトークが進んで面白かった(「黒蜥蜴」「アデュー・マルセイユ」のトークはやっぱり野々すみ花に遠慮があるので。もちろん、お兄さん感のある朝夏まなともそれはそれでかっこいいんだけど)。

本公演の映像を見ながら、「あ、そこ、そこにいます!」って(群舞の中にいる自分の位置の)説明を放棄した朝夏まなとに、「そこじゃ分かんないよ」って突っ込む桜乃彩音が面白かったし、「音楽学校時代のまぁくんは、いつもニコニコしてて、皆に可愛がられてた(なのに、入団してからふと気付くと、いつの間にかしっかりして可愛がる方になってたからびっくりした)」って話すのがお姉さんみに溢れてて新鮮ですごく良かった。

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花組新人公演「マラケシュ 紅の墓標」(東京・2005年)

マラケシュ」はすごく好きな作品なので、新人公演を見るのがちょっと怖くもあったんだけど、メインキャストに下手な人がいないせいか、驚くほど違和感なしに見られた。引っ掛かったのは開幕早々の測量隊でわりと多めに台詞もらっている人と、あとオリガ母の歌(回想場面)くらいかなあ。イヴェットと付き人ソニアなんか、このまま本公演いけるんじゃないの?ってくらい良かった。すごく好き。

朝夏まなとはとにかく若くて、線が細くて、とても「虚無を抱えた大人の男」には見えないんだけど、でも見てて「うわあ下手だなあ」「拙いなあ」とは全然思わなかった(※)し、若いことを除けば意外とリュドヴィークという役が似合う気がした。(※ 本公演に放り込んだらそりゃ当然浮くんだろうけど、新人公演では違和感なし。歌も本役と比べなければ全然オッケー!研4(なりたて)でこれって結構すごいことなのでは)

若い分、回想場面のパリがすごく良かった。春野寿美礼の場合、若く見えないしうらぶれた感じが一切ないし、レイヤーが一枚ずれた世界で生きている感がある人なので、「金も力もない色男」はちょっと柄違いでは?感あるんだけど、朝夏まなとはここがすごくはまってる。金の薔薇を手にして、「これが本当に僕からあなたへの贈り物ならば」って歌うところがすごく良かった。イヴェットの銃を抑えて、「僕がやった。いいね?僕がやったんだ」って言うところ、ハイパー完璧だった。めちゃくちゃかっこよかった。

あと、パリでのスーツ+ベスト+シャツっていう格好がスラリとしていて、(線が細い辺りも含めて)「貧乏青年」風でツボ(この子お金ないんだろうな、って思わせるんだけど、その「お金のなさ」が清廉さとして出てて魅力になってる辺り、ショーの花形と恋に落ちるのがとても自然)(イヴェットみたいな女性にとって、「財産の有無」は男の評価項目に入ってないと思うんですよね/評価項目に入ってないだけで、イヴェットの男には「金」が必要不可欠なんだけど)。スーツの袖と裾にガッツリ伸ばした跡があって、面白かった(シャツにはなかったので、あれは別衣装なのかな)(新人公演のためだけにお直しするんだから、宝塚のお衣装部さんってスゴイ)。

今の朝夏まなとで、今の宙組で「マラケシュ」やったらどうなるんだろう?って二周目見ながらめちゃくちゃ思った。見たかったなあ。多分全然違うリュドヴィークになると思うんだけど。やるとしたら、実咲オリガ/伶美イヴェット/真風レオン/芹香クリフォード/愛月ギュンターかなあ(一体どういう世界線なのか謎な配役)。

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カフェブレイク

マラケシュ」カフェブレイクを見て、「朝夏まなと若いな!」よりも先に、「中井美穂若いな!!」って思った謎。画面がワイドじゃないだけで妙に昭和を感じた(「黒蜥蜴」ではワイド比率になってたんだけど、それだけですごく最近ぽかった)。

「過去に蓋をして生きてきたんだけど、マラケシュという辺境の地でなぜかオールスター揃っちゃって、蓋を開けざるを得なくなって……」って中井美穂が「マラケシュ」を評したくだりが結構印象的。

「黒蜥蜴」は宝塚にハマったばかりの頃に友人が年末のBS放送を録画してくれたのを見たんだけど、「あ、宝塚にもヤバいレベルの駄作ってあるんだ……」って気付かせてくれた思い出深い作品です!(春野寿美礼明智小五郎と桜一花の小林少年がめちゃくちゃハマってただけに、勿体なくて仕方がなかった)(江戸川乱歩は何も悪くない)。いくら朝夏まなと主演とはいえ、もう一回見直す気力はなかったので、カフェブレイクでさわりだけでも見れて良かった。あと、ショーのダルマ姿のインパクトが凄かった。手が細いし、足が長すぎて気持ち悪いレベル。いやあ、可愛い(!)。

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朝夏まなとサヨナラ特集で貴重な番組がガンガン再放送されて、レコーダの残量がマッハでピンチな今日この頃。「Amotion」のDVDも買ったので、しばらく朝夏まなと三昧になる予定。スカステ開局15周年記念番組も再放送してくれないかなあ!(見逃した!!)

 

朝夏DSとかぽっぷあっぷTimeとかカフェブレとか/CSめも

朝夏まなとディナーショー

4分くらいしかないダイジェスト映像だというのにイチイチ「行っときゃよかった」って後悔が押し寄せるので、驚くほど気力を消耗した。ちょっとでも行こうかな/行きたいなって思ったら迷わず行かなきゃダメですねホント(同じこと、コンサートの時にも言ってた気がする)(学習してないな……)

彩花まりに「もはやあなたなしでは生きていけない…!」ってやった後思い切り笑ってる朝夏まなとと、「俺だけを見ろよ」「お前だけを見るよ」ってウインクバチコン☆した後に完全に笑っちゃってる朝夏まなとと、恋する眼差しで朝夏まなとを見上げる桜木みなと(と、それを見ながら笑いを堪えてる朝夏まなと)が好きで仕方がない。

「俺こそが掟」って聞いた瞬間、「!!コードヒーロー!!」って閃いたあたり、自分で思っている以上にあの作品がトラウマだった模様(でも望海風斗のブリドリネクストとか見てると、演ってた人たち自身は案外あの公演が好きなんじゃないか、って気はしなくもない)。あと今更なんだけど、彩花まりが落ち着きのある美人でなおかつ歌がうまいということを知った。あまりにも遅すぎた。

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ぽっぷあっぷTime

スカステとか雑誌を見る限りでは、真風涼帆の愛称(公式)って多分「ゆりか」だと思うんですけど、大劇場周辺でごはんを食べているときに耳に飛び込んでくるタカラヅカトークにおいては、概ね100%の確率で「真風」呼びされてるんですよね。何でなんだろう。真風さんが「ゆりか」っていうよりも「マカゼ」って感じだから……? とかって脈絡のないことを考えたのは、組長が「ショーの見所」として、「まぁくんとゆりかちゃんのリフト」を挙げていたからです。朝夏まなとのことを「まぁくん」と呼ぶ人も随分少なくなってしまったなあ、などと感慨に耽りかけたところにブチ込まれた「ゆりかちゃん」の威力といったら、凄まじいの一言だった(しかもそこで映るのは、プロレス技を彷彿とさせる例のリフト)(宝塚を知らない人が「まぁくんとゆりかちゃんのリフト」と聞いて想像するのは絶対にこういうのじゃないと思う)。

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カフェブレイク

最初から最後まで朝夏まなとが光輝かんばかりに美しいし、フェルナンは素敵なクズだけどお髭がかっこいいし、公演映像がどれもいい感じに振り切れた悪役ぶりなので、終始楽しくて仕方がなかった(でも「俺はダンテス、許さない♪」って歌だけはどうかと思う)。「奥様は昨晩旦那様がひどくお殴りになられたせいで……」っていうくだり、ホント最低だし、最低過ぎて狂おしいほど好き。ここまでゲスい役で、なおかつちゃんとそれが「ゲスい役」として作られているのって素晴らしいことだと思った(宝塚ってちょいちょい人間のクズが出てくるのに、作中ではその人非人がいい人扱いされてたりしてて、「えぇ……」ってなることがよくあるじゃないですか/「バレンシアの熱い花」とか)(ああいうのが心底キライなので、ちゃんと悪人が悪人扱いされてるとそれだけで嬉しくなる)。

あと、特筆すべきハイライトとしては、前回の出演者からの質問コーナー。

七海「私のこと、どう思ってますか?」
朝夏「なんだ、その質問!かいちゃんのことどう思ってるかって……こんなところで言わせるの!?」

普通に考えて、「そんなプライベートなことをここで聞くの!?」でしかないのに、「こんなところ(テレビカメラの前)じゃなければいくらでも言ってあげるのに(いつも言ってるじゃん)」的にイケメンチャラ男感が漂うあたりがさすがだと思った(完全な邪推です)。

 

花組ドラマシティ公演「はいからさんが通る」/2回目

二回見てもやっぱり詰め込んでるしまとめ方雑だなって思うんだけど、面白かった。柚香光かっこいいわ。間違いなく少尉だわ。それだけで大勝利。

ただ皆お疲れ気味なのか、滑舌がちょいちょい気になった。紅緒さんあたりは早口の台詞が多いのでなおさら。とはいえ、ああいうキャラクタなのに鬱陶しくなくてちゃんと可愛いというのは稀有なタイプな気がする。違和感なく若いのが素晴らしい(いや、実年齢は間違いなく若いんだろうけど、娘役って案外若ぶる方が難しいので)。

お前の許嫁なら日本人ちゃうかい!っていうツッコミがない(原作ではある)とか、ラリサを見捨てることはできない!って言った直後に「僕の命にかえても」とか言い出すのはあかんやろ…とか、死んだラリサ放って行くんかい!とか、諸々気になる点はいっぱいあるんだけど、少尉と紅緒さんの恋愛模様をニヤニヤしながら見守っちゃう時点でもう大満足と言うしかない。フィナーレがノリノリでめちゃくちゃ楽しいせいもあるかも。

二回目見て気になったのは環さん。編集長と一緒で首が長くないタイプの人なのでカツラが微妙に似合ってなくてもったいないなあ、って思ってたんだけど、声がすごくキレイで美人オーラがあるので、動いてるとこを見るとはまり役だった。

あと蘭丸は女と見紛うような美少年、には見えない(キレイだけど男役の常としてオカマ感が漂う)んだけど、顔が好みだし、演技も悪くない気がして結構好き。柚香光のブリドリで見たときは紫峰七海の面影を感じたんだけど、舞台だとそうでもなかった。不思議。

「♪たとえ遠く離れても/心はいつもすぐそばに」っていうくだりが毎回好き。歌だけでめちゃくちゃ盛り上がる。今回、曲がどれもすごく良かった。

最後の挨拶で「大阪府出身鬼島軍曹役の水美舞斗から皆様に一言」って無茶振りする柚香光と、無茶振りされて「ええ〜」ってなる水美舞斗が可愛かった。仲良さそう。そういえば同期だっけか。

 

 

宙組うたかたの恋とか風と共に去りぬとか/CSめも

三連休なので色々録り溜めたものをいそいそと消化中。

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宙組全国ツアー公演「うたかたの恋」「Amour de 99!!」(2013年)

「うたかたの恋」を初めてちゃんと見たんだけど、苦手な柴田脚本なのに結構楽しかった。朝夏まなとにも、「バレンシアの熱い花」よりこっちやって欲しかったなあ(「バレンシアの熱い花」って主人公がクズ過ぎてどうも)。とはいえ、結構難しい作品のような気もする(普通に演ると、ルドルフがわりと無能になるような……)(あと、完全無欠のロリコン疑惑)。でもまあ、凰稀かなめはそういうの上手いので問題なし。ルドルフにそんなに無能感がない(というか浮世離れ感を感じる)し、プレイボーイなのにめちゃくちゃ虚無的。白い軍服がとにかく似合う(持ち味が甘い人なので、個人的には黒でビシッと決めてる方が好きだけど)。

実咲凜音が可憐で可愛らしい「青い花」で、全然若ぶってる感じがなくてめちゃくちゃ可愛かった。意外とこの人、若い役できるんだよなあ、と毎回驚く(面長の娘役ってどうしても年嵩に見えるとこあるので)。まあ、普通に少女やってるだけに、犯罪臭が増すところがあるわけですが……。

で、朝夏まなとのジャン・サルヴァドルがかっこよかった。めちゃくちゃかっこよかった。いやあ、ジャン・サルヴァドルという役がちゃんとかっこいいのか、朝夏まなとがかっこいいだけなのか、イマイチ判断がつかない(!)。いい役だと思ったんだけど、贔屓目あるかも。舞踏会で伶美ステファニー(超美人)からマリーを守ろうとするところが一番好きです。ヒーロー!って感じで超輝いてた。あと開幕、白軍服で出てきて踊るところが狂おしいほど好き。

ショーは、終始「柄に合わないことさせられてるなあ」って凰稀かなめが気の毒になったんだけど、私があの人のキャラクタを読み違えているだけなんだろうか。「トマケ」っぽい場面とかあれ、100%柄じゃないのでは……。水色と青の切替の衣装で踊る一連の場面はすごく好き。あと、朝夏まなとと実咲凜音の場面!ああいうストーリー仕立ての場面が大好物なのでめちゃくちゃ嬉しかった。ハッピーエンドなのも素敵。

凰稀・緒月のデュエットダンス(!)はなんかエライものを見てしまったというインパクトだけは半端なかった。逆では、逆ではダメだったのか。むしろ男同士ではダメだったのか。一体どの辺りに需要があるのか謎なんだけど、朝夏×女装真風とか、明日海×女装芹香とかだったら私も喜ぶので、これも喜んでる人がどこかにいるんだろうなあ、とは思った(あと生で見てたらここまでインパクトなく普通に見れたような気もしなくはない)。

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宙組大劇場公演「風と共に去りぬ」(2013年)

植田脚本で一本物という地獄の盛り合わせみたいな公演だったので当時はスルーしたんだけど、今思うと朝夏スカーレットなんだから見に行けばよかったんじゃ……!とかって後悔しながら録画をざっくり流し見て、「まあ、見に行ったら見に行ったでめちゃくちゃ文句言ってただろうな(ストレス溜めてただろうな)」って想像が何となくついたので、やっぱりスルーして正解だったという結論に落ち着きました。「明日になれば」の朝夏まなとが心震えるほど美しかったことをここに付記しておきます。

凰稀かなめにレッド・バトラーって全然柄じゃないのでは?とかって思った割には案外似合ってたのでびっくりした(意外に凰稀さんは役を選ばないよね)(その分何か、色々無理させられている感があるけど……)(凰稀&朝夏で「メランコリックジゴロ」とかも案外ハマった気がする)。

 

花組ドラマシティ公演「はいからさんが通る」/1回目

一応さわりだけでも原作読んでた方がいいかな?とか思ってKindleで無料だった一巻を試しに落としたら、そのまま続きが気になって結局全巻読んでしまったんだけど、昔の少女漫画ってテンポがいいというか展開が早いというか、たった七巻弱なのにめちゃくちゃ内容濃かった。で、これをどうやって二時間に収めるのかしらん、て思いながら見に行ったら、紅緒と少尉が想いを通じ合って(?)シベリア行くまで(一幕)は比較的丁寧に、そこから先の諸々(二幕)は思い切りよく駆け足!というかダッシュで!!みたいなまとめ方だった。「二幕の畳み方ちょっと雑では」とは思うんだけど、そんなにダレることもなく最後まで楽しく見たので印象は悪くない。一幕の終わり方がすごく好き。柚香光って倒れるのが妙にうまい(ダンスいい人だからかな)。

少尉が日本を離れるまではかなり丁寧なので、蘭丸・牛五郎・吉次さんあたりがなかなか美味しい役になってる反面、割を食ったのが編集長と鬼島軍曹かなあ。

特に編集長は恋に落ちるまでが盛大に端折られてるのと、結婚に至るまでがハイパーダッシュモードなので、「え、この人女嫌い→紅緒認める→好きになる→結婚を決意する」までの過程で色々すっ飛ばし過ぎじゃない?いつの間に!?感が半端ない(加えでそこが端折られてるせいで、身を引くところも若干苦しい)。あと鳳月杏は首が長い人じゃないので、ああいう鬱陶しいタイプの鬘が似合ってなくてちょっともったいなかった。

 基本的に宝塚見るのに予習は必要ない派なんだけど、今回は原作読んでた方が「え、一体何があってそうなるの!?」感を感じなくて済むかも。小柳奈穂子は相当頑張ってるけど、やっぱり何も知らずに見て100%理解して楽しめるかというと難しい気がする。

誤認逮捕のくだりはあんな無理矢理(かつ謎な)オチをつけるくらいならバッサリカットした方がよかったのでは?って思った(でも少尉の見せ場だから難しいのかな)。

しかし、柚香光の少尉がとにかく麗しくて!「はいからさんが通る」のタイトル通り、やっぱり紅緒の方が主役感のある作品なんだけど、柚香光の美しさが少尉主役を成り立たせてる感あり。二幕なんかほとんどかっこいいところない(※)のに、ちゃんとかっこいい!埋没してない!(※ これ、個人的には二幕でもうちょい少尉の苦悩とか、ラリサとの関係とかを書き込んで欲しかったなあ、というのが最大の残念ポイントかも)

お祖母様が美しくて、誰だろ?っと思って幕間でプログラム買って確認したら、芽吹幸奈だった。原作とはちょっと違うんだけど綺麗でいかにも公家のお姫様感があるお祖母様で素敵。あと如月が良かった。

主題歌がすごくポップというか、疾走感のあるメロディですごく好みだった。「はいからさんが、と・お・る!」っていうところが印象的。この曲で登場人物の顔見せを兼ねたオープニングダンスがあるんだけど、アニメのOP感あって、ワクワクさせられて、それだけで結構満足感ある。大好き。

ちょいちょい少尉が、え、そこで!?っていうタイミングで軍服に着替えるので、ちょっと笑った。いや、その軍服姿がとにかくかっこいいので不満ではないんだけど。

柚香光は歌が上手くない(というか端的にいうと下手)だと思ってたら、案外うまかった。紅緒のことを見る眼差しが甘ったるくて、終始ニヤニヤできるのでもうそれだけで少尉。

 

朝夏宙組でこんなものが見たかった妄想

退団を抜きにしても、朝夏マデレーネ(by桜木みなと)並に実現性は無視。↓に行くほど、ネタ元がマイナー(だと思う)。こういうことばっかり考えてるので仕事が全然捗らない。

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スカーレットピンパーネル
朝夏パーシー/真風ショーヴラン/実咲マルグリット

単に朝夏まなとの「ひとかけらの勇気」(A motion)を聞いたら見たくなったというベタかつ安直な思いつき。でも絶対はまったと思う。超真っ白で輝くようなヒーロー感溢れるパーシー。長い手足を縮めてウキウキでグラパンやってる姿が目に浮かぶ。あと、「君ともあろうものが恋の前では……」っていう台詞の、「あれだけ奔放に浮名を流した遊び人が何言うてるんじゃ」感ヤバい。見たい。

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ME AND MY GIRL
朝夏ビル/実咲サリー/真風ジョン卿/澄輝ジェラルド・桜木ジャッキー(役替り)

ジャッキー/ジェラルドは蒼羽&愛月コンビもちょっと考えたんだけど、「サイズ感ヤバいな」と思って自重しました。澄輝さやとの、品のいい(逆に言うとちょっと押し出しが足りない)持ち味は多分、ジェラルドに合うと思うし、その持ち味でジャッキーをどう演るのかが見てみたくもあるし、強引に迫ってもジャッキーが必要以上に品下がらないからいいんじゃないかって。あと、可能ならばマリア叔母様に伶美うららを配したい。歌的な意味で可能ならば……。

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銀河英雄伝説 帝国編(再演じゃなくて、新脚本)
朝夏ラインハルト/真風キルヒアイス/伶美アンネローゼ

伶美うららこそ最高のアンネローゼ役者だったのでは」って今更このタイミングで閃いてしまったので、伶美アンネローゼありきで無理矢理配役した(!)。ラダメスを見る限り、朝夏まなとは金髪ロン毛のキラキラ美形を十分演れると思うし、真風さんはどれかっていうとヤン役者だと思うんだけど、ヤン演れるならキルヒアイスもできるはずだから(偏見)いけるんじゃないかって。あと全然関係ないけど、実咲凜音は絶対にフレデリカ。「銀河英雄伝説」ってうまくやれば、「ベルばら」並みに固いスピンオフ供給源になったんじゃないかしら、っていまだに惜しんでます。

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ファイナルファンタジータクティクス
朝夏ラムザ/真風ディリータ/伶美オヴェリア/澄輝アグリアス/和希ムスタディオ

ラムザ…お前は何を手に入れた? 俺は…」って真風ディリータに言って欲しいのと、寂しげな目をした伶美オヴェリアに「…我ら罪深きイヴァリースの子らが神々の御力により救われんことを」って言って欲しい一心。あと、澄輝アグリアスに「今更疑うものか!私はお前を信じるッ!!」って言って欲しいだけ。絶対滾るに決まってる。

ざっくり言うと、最終的に王位は得たけど大切なものを失った「英雄王」ディリータと、名声も身分も何もかもを失ったけれど大切なものだけは守り抜いた「異端者」ラムザ、二人はかつて兄弟同然に育った親友で、っていう話。残念ながらラムザは重度のシスコンなので、正ヒロインは妹アルマだし、裏ヒロインは澄輝アグリアスです。多分、ディリータを主役にして脚本を書いた方がすっきりした悲劇(!)(※)になると思う(でも私は朝夏ラムザ×真風ディリータが見たい)(「他人のために戦うこと」を己の「正義」と定めた不器用で誠実で善意の塊のようなラムザを演る朝夏まなとが見たい)(あと単純に、金髪の後ろ髪を小さく括った朝夏まなとが見たいだけ)。

(※ 他者を利用して成り上がる野心を胸に秘めた男が、(利用するつもりでいたはずの)他者の思惑に翻弄され続ける哀れな王女にいつの間にか肩入れして、「お前の国を俺が作ってやる」って本心から誓うんだけど、今までの所業が酷過ぎて(あと、王女がこれまでの人生で裏切られ続けてきたせいで信じ切れなくて)、最後の最後に派手に破綻する――っていう最高の悲劇/詳しくはWikipediaFFTの登場人物:オヴェリア・アトカーシャの項)をご覧ください)

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七回死んだ男(西澤保彦
朝夏久太郎/実咲友理/真風冨士高/愛月世史夫/伶美舞/星風ルナ/澄輝槌矢/一樹零治郎

精神年齢アラサーの高校生と有能女性秘書のラブストーリー、というのは真っ赤な嘘で、ざっくり言うと、稀に同じ一日を九回繰り返してしまうという特殊体質持ちの高校生(だから精神的にはアラサー)が、ループの中で祖父の死を食い止めようとトライアンドエラーを繰り返す話、かな。すごくよくできたミステリなので、知らない人にはぜひ読んで欲しい。ザ・キャリアウーマンを落とす高校一年生とか、朝夏まなとが演るくらいしないと説得力ないと思う。あ、着用を強要されるカラフルなちゃんちゃんこ+スウェットは宮廷服orドレスにチェンジで(胡留乃叔母様にヅカ好き設定があった気がするし多分セーフ)。真風の富士高兄さん(無口でムッツリで浮気性)は絶対ハマると確信してる。

 

宙組千秋楽映像とか王家ナウオンとか/CSめも

宙組大劇場千秋楽

入の朝夏まなとの白いスーツがめちゃくちゃかっこよくてどうしようかと思った。できればもうちょっと尺取ってパフォーマンス見たかったけどそれはDVD買えってことですね分かります(買おうかちょっと悩み中)。

公演ダイジェスト映像が死ぬほど細切れなんだけど、稽古場でも初日映像でも見せてくれなかった場面がいっぱい入ってて嬉しかった。一瞬の任官式を十回くらいリピートした。一瞬アップになる朝夏ドミトリーが信じられないくらい男前。

サヨナラショーのエジプトは領地を広げている、のところ、前楽は「わあ!唇が赤いラダメスって新鮮!」って思った記憶があるんだけど、千秋楽はちゃんとベージュっぽい色に塗り直してるような気がした(中継見てるときも思ったんだけど)(あんまり自分の記憶が信じられないので気のせいかも)。デュエットダンスから暗転→スタンが入ってて嬉しい。あそこの小芝居すごく好きです。「メランコリックジゴロ」も生で見たかったなあ。

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「王家に捧ぐ歌」NOW ON STAGE

こっちがギョッとするくらい、朝夏真風の二人が男役燕尾で一瞬絡む振付について「私たちで(なぜか)デュエットダンス!」って嬉々として語っていたので、「え、あれってそこまで過激(!)な振付でもなくない……?/あのくらいならわりとよくある感じじゃない?(え、そこまでテンション上げるの……?)」って思った。無性にシェイクスピアの(というかHOT EYESの)ナウオンが見たい。ジゴロの場面についてこの二人がどうコメントしてるのかが超気になる。

「王家に捧ぐ歌」というと、お披露目演目を知ったときの自分の反応(「え、真風アイーダはヤバ過ぎじゃないですか!?(見たいけど!!)」)がいつも思い出される。「普通に実咲アイーダでしょ」って笑われた(その発想はなかったな……)。

 

 

 

星組大劇場公演「ベルリン、わが愛」「Bouquet de TAKARAZUKA」/1・2回目

午前公演見に行くつもりだったのに、起きたら10時だった。起きたら誇張なしに10時だった(うわあ)。色々忙しくてしんどい一週間だったとはいえ、自分がバカ過ぎて泣けてくる(最低でも1時間半前には出ないと間に合わないので完全アウト)。もうショーだけ見よう、と開き直ってショーだけ見に行ったら折良く当日券が買えたので午後公演も見て帰ってきた。

ショーの序盤が個人的にテンション上がらない感じで(あと、まだ二日目のせいで拍手も薄くて)、ちょっと凹んでたんだけど、中盤以降派手な場面もあって、見終わってみれば結構好きなショーかもしれないと思った。スペインの場面がすごく好き(ただ、徹底したパリ推しの後に唐突に差し込まれたスペインだったので、最初ちょっと困惑した)(え、何、パリのネタ尽きちゃったの!?)(まだあるでしょ!)。

あと全体的に衣装に予算全額注ぎ込んじゃった?って邪推する感じに背景セットが適当だった気がする(特にスミレの場面)。でも衣装がどれも素敵。三色旗の場面のとか特に好きだなあ。

ここまで書いて、別にこれ、パリ推しショーじゃなくて、各場面花をモチーフにしてるのかってふと思った。スミレ→パリの場面(花出てきたっけ?)(花のパリってこと?)→薔薇……? そういえば、ショータイトル「Bouquet de TAKARAZUKA」だったですね。

星組の若手全然分かってねえな……って一番思ったのは、スペインの場面に入る前に銀橋渡る若手三人が瀬央ゆりあしか分からなかった辺り。紫藤りゅうとか?(分かってない)。ツライ。

てことで、午後公演(というか芝居の感想)。

原田諒脚本なので正直ちょっと覚悟決めて臨んだら、案外悪くなかった。まあ、盛大にとっ散らかってるんだけど、駄作ってほどでは全然ない。「ラストタイクーン」くらいの面白さはある。ただ、お手軽悪役にナチス・ドイツ使うのはやめて欲しいし、序盤レーニで笑わせてからあの展開は後味悪過ぎる(笑った観客にも罪悪感与える)からどうかと思うし、他にも色々言いたいことはあるけど!

天寿光希がめちゃくちゃかっこいいおじ様演ってて、この人もそういう役振られる学年かと思うと色々感慨深かった(組長と同年代ぽい役なのに全然違和感ないのスゴイ)。ハイパー男前で嬉しかった。あと壱城あずさ。腹にイチモツありそうな癖のある役させたら最強だよね。でもって凪七瑠海が損な役(いや、かっこいいんだけど、よくあるお手軽に使われる悪役ナチスってだけで……)をさすがの押し出しで演ってた。

意外と、前半美味しそうに見える礼真琴エーリヒが、最後まで見るとそうでもない印象。でも、紅ゆずるとワチャワチャ楽しく友達やってるとこが素敵だったので個人的には全然あり。

どっちかっていうと、前半のノリ(俺らで誰もが楽しめるトーキー映画を作るんだ!)で最後まで行ってくれた方が好きだった。 そのノリが30分くらいで終わったので、「あれ、じゃあこの話どうなるの?どう終わるの?」って若干困惑した。まあ、原田諒作品見てるとわりと毎回、「この話どう終わるんだろう」って時計見がちなので相性が悪いような気はしてる。ただ、今回どの場面も背景セットが美しかったことは認めざるを得ない。なんか悔しいけど。映写機のところの演出がすごく良かった。

あ、でも、「ただ幕に映写されるが映像を眺めるだけの時間」が多発するのは好きじゃない。私たち別に、映像(しかも最初の一回はジェンヌの映像でさえない)見に来たわげじゃないですし。

しかし、綺咲愛里ってスタイルいいし、声が綺麗だし、芝居はうまい(ような気がする)し、とにかくかわいいし!で、いい娘役だなあ、と思った。歌が若干アレなんだけど、他のところで全然おつりが来る感じ。紅ゆずると並んだときのスタイルパーフェクト感半端ない。

 紅ゆずるは滑舌がちょいちょいあやしい。偉い役のときの方が滑舌甘くなる癖出ないのかしらん、ってちょっと思った(パーシーとか、オーシャンズ11だとそんなに気にならなかったような記憶なので)。

宙組大劇場公演「神々の土地」「クラシカルビジュー」/中継

中継ってどこ見るか悩まなくていいのと、カメラワークで意外な効果が出たりするので案外面白かった。視点が自分とあんまり変わらないのでストレスがなかったというのもあるかも。

「ここ映してよう!」って思ったのは、ラスプーチン暗殺後の握手のとこだけかな。フェリックスと握手し掛けて止まるところが遠景だったので、そこだけすごく惜しかった。でも「君はもうその目で見ているじゃないか」で、ドミトリーの目に光が入ったところとか、映像ならではの効果でめちゃくちゃ面白い。ドミトリーとアレクサンドラの場面で、アップになったドミトリーの背後にラスプーチンがぼんやりと映り込んでいるとこの不気味さとかも。

あと映像だと、ユスポフくん、イリナのこと気に入らないのね(でも嫌い切れないのね)感がマシマシ。全体的に細かい芝居が追えるので、いろんなところで印象が増したりちょっとニュアンス変わったりで面白かった。ツィンカで、蒼羽ウラジミールがあんなに苦々しい顔してるのとか、劇場では見逃してた。

任官式の場面は映像で見てもめちゃくちゃかっこよかった。いやもう、「かっこいい」以外の言葉を失う感じ。ヤバイ。BD買おうかなあ。

映画館だとトイレがね……って思う幕間。

サファイアの場面、リフトは変更バージョンのまま。それ以外にも振付が変わってたような気がするんだけど、気のせいかもしれない(足上げる役が真風涼帆に変わってたような……?)

サヨナラショーがホントに楽しくて、ショーからのラダメスで緩んだ涙腺をよそになんか笑える。

ソーラン宙組がすごく好き。本公演で見たときはそんなにいい場面と思わなかったのに不思議。朝夏まなと→真風涼帆で歌い継ぐ(というか場面の芯を引き継ぐ)ことになんかグッとくる。

で、挨拶でめそめそして、カーテンコールで笑った。投げキスドアップで見れるだけで、中継組勝ち組じゃない……? てちょっと思ったんだけど、私も劇場でキャーキャー言いたかったからそんなことないな……。