タカラヅカメモ

全組観劇のライトファンによる宝塚感想置き場。

宙組大劇場公演「神々の土地」「クラシカルビジュー」/4回目

買い物に行くとか言って誤魔化して見に行ってきた四回目。正直、自分でも久しぶりのシャカリキファンモードに引き気味ではある。Wしようかな、って一瞬頭沸いたことを考えたけど、それはさすがに自重した。

ということで、以下箇条書き。

・「おめでとう、ドミトリー」って言われてもちっとも嬉しそうじゃないドミトリーがツボ。ウキウキユスポフくんには悪いけど、あの人自分が皇帝になる気ゼロじゃないですかね……

ラスプーチンの暗殺(の成功)は、フェリックスにとっては輝かしい「勝利」(だから彼は銀橋で高らかに勝利宣言を歌う)なんだけど、ドミトリーにとっては完全なる「敗北」でしかない。フェリックスと握手するときのドミトリーの表情がホントに「負けた…」って感じでグッとくる。

・「目的を達成する過程で手に入れられればいいくらいの感じ」というプログラムの記述が、初日はどちらかというとクーデターありきの突き放した愛の表現に思えたのが、いつの間にか、「愛が欲しいわけでも愛を受け入れて欲しいわけでもない。単に愛した男を皇帝にしたい(自分が満足する皇帝を戴きたい)だけ。彼こそ王座に相応しい(でもその結果愛が得られたら嬉しいな(はあと))」みたいな尽くし愛に思えてきた。真風フェリックスはちょっと朝夏ドミトリーが好き過ぎない?

・イリナはそこらへん分かってて警戒してる、のかな。イリナ的に、フェリックスがドミトリーを愛するのは全然構わないんだけど、その結果として(あるいはその過程において)、ドミトリーに彼自身の信念に反することを押し付けるような真似はして欲しくない(ま、ユスポフくんにはそんなことできないんだけど)(あ、こいつドミトリーに対しては最終的にヘタレるな(意思は無視できないんだな)、てイリナは最後の散歩の場面で気付くんだと思う)。

・毒が大体なくなって、オリガに対しても優しいお金持ちのお兄さん(ちょっと眉を顰められる性癖持ち)になってるフェリックスの代わりに徹頭徹尾貴族なのが、ジナイーダ。この人、クーデターの陰謀も楽しんでやってる愉快犯で、多分作中一番質が悪い(亡命でさえ、楽しんでる気がする)。

ペトログラードとかソビエトという名称をちょいちょいダサい(意訳)ってけなしでいくところ好き。

・任官式といい、暗殺の場面といい、大階段の使い方が神がかってる。任官式で桜木みなとがバイトしている(多分)ことに今更気付いた。

・四回目にしてラッダとコンスタンチンにうるっときた。なんか、最初の(花束贈るとかふざけんなよ、の)場面から、ラッダはコンスタンチンのこと憎からず思ってるよね……? 花束なんかもらってもどうしようもない。でも嬉しい。だけど、愛の印に花束を贈ることしか思いつかない男に、超え難い大きな隔たりを感じている。ラッダの気持ちを考えると、無性に泣ける。また、コンスタンチンが無邪気に「妻にしたい」とか言うからさあ……(結局、貴族と民衆の間に埋め切れない断絶があり、この二人はその象徴的な役どころなんだろうか)

・クラシカルビジューは王冠持って朝夏まなとがせり上がって来てから最後のパレードまでがとにかく好きで、ああ、いいもん見た…って終われるので好き。

・ルビーの場面とかかっこいい歌入れてもいいのよ?もっと印象的な振り付けはできなかったの!?ってちょっと思うけど。伶美うららの背中が美しいので全部許す。美しいものを見ることには価値がある。