タカラヅカメモ

全組観劇のライトファンによる宝塚感想置き場。

宙組大劇場公演「神々の土地」「クラシカルビジュー」/5回目

英伝以来3度目となるSS席。ヒェ…近い……って始まる前からビビってた。オペラ覗かなくても細かい芝居が見えるのですごく楽しい。ドアップで見ても朝夏まなとはかっこいいし、伶美うららは麗しい……。でも、舞台の迫力(特に群舞の場面)は二階席の方が断然いい。ゾバールたちが革命を煽っているところに、兵士たちに連行されるドミトリーが斜めに歩いてくる場面(♪罪は裁かれた)、あそこがすごい好きなんだけど、下手側SS席だと、イマイチ映えなくて残念だった。あそこ二階から見るとめちゃくちゃかっこいい!ですからね…

 

そういうわけで色々箇条書き。

・ドミトリーの衣装はどれもかっこいいんだけど、一番はやっぱり婚約披露〜暗殺(任官式も?)の場面の上下黒だな!という結論に達しました。あと、貴重な帽子姿(列車から飛び降りてイリナに会いに来る場面)をいつも見逃して、その度に「キーッ!また見逃した!!バカ!」って歯噛みして悔しがってる(あの場面のイリナさんが美しすぎるのが悪いと思う)。さすがに、次こそは……

ラスプーチンの登場の瞬間、普通にビビった(もう五回目なのに)。二階席だと、あらいつの間にかラスプーチンさんが銀橋に……!みたいな感じなのでなんか新鮮。

・今日のドミトリーは暗殺した後になんか吹っ切れたみたいな乾いた明るさとともに現れて、いつもより自分から進んで握手してるように見えた。ドミトリーに皇帝になる気はない(例えクーデターが成功しても(※))と思っていつも見てるんだけど、今日はちょっと前向きに見えたというか、「責任を取る=皇帝になることも視野に入れてる=でもそれはドミトリーにとって名誉ではない」みたいな感じ。印象が変わって面白い。(※ 新しい皇帝が必要なのだ!って言われてクーデターに引き込まれるけど、ドミトリー的にはずっと、「薄汚い暗殺者が皇位を得て良い訳がない」なんだと思ってる)(まあ、結構真理だと思いますけどね、その発想)

・ニコライ二世の「いい台詞」を聞くたびに、「いい人なんだけど!いい人なんだけど……!」って苦しくなるし、「あなたが愛して結婚した相手は幸せですか?」ってアレクサンドラに同情的な気持ちになる……辛い。

・ドミトリーはちゃんと、「オリガを愛している」って宣言しようとしているし、オリガはオリガで、ドミトリーがそう言ってくれればそれでいい、と思ってる(と思う)。

ラスプーチン暗殺に至ったのは、オリガとの破談が原因ではなくて、ロマノフとして守るべきは「ニコライ二世のロシア」なのか?「ロシア」なのか?てことをドミトリーが考えたからなんだと思ってる。そして、ドミトリーは「ロシアを守ること(=ラスプーチンの暗殺)」を選んだ。「ニコライ二世を裏切る」って明確に自覚してたわけじゃないんじゃないか(ニコライ二世を見てると、この人皇帝じゃない方が幸せなのでは)、と思うんだけど、でも当然、オリガにとってはドミトリーの裏切りに他ならなかった。

・オリガはイリナへの嫉妬でクーデターの件を密告した訳ではなくて、あれは単に、「クーデターは避けたい/なんとか国を立て直したい/平和的解決方法を……!」という意見の一致を見たオリガとドミトリーが、一時的に共同戦線を引いたけど、それは結局、喧嘩別れに終わってしまったという、そういう話なんだと思ってる。オリガは「ニコライ二世のロシア(ニコライ二世そのもの=家族)」を守ることを選んだし、ドミトリーは「ロシア(=ロマノフ)」を守ることを選んだ。その結果があれ。

・SS席の本領はショーで発揮された。そういう意味では、今回のショーってちょっとフォーメーションで魅せるみたいなとこが弱い気がする。

・王冠を持った朝夏まなとがせり上がってくるたびに、「それ、真風涼帆に被せる場面(ナポレオンの戴冠式みたいな)が欲しいんですけど!ダメですか!」って思う。そういう引き継ぎっぽいとこ好きなので。

・「神々の土地」が好き過ぎて、ネットの感想を貪り読んでる今日この頃。「サヨナラ作品でこれどうなの?(最後トップ一人じゃなきゃダメでしょ)」みたいな意見を散見しては、「え、そんな暗黙の了解あるの?」って困惑してる。