タカラヅカメモ

全組観劇のライトファンによる宝塚感想置き場。

宙組大劇場公演「神々の土地」「クラシカルビジュー」/7回目

「今日も宝塚??また宙組??」って不審がられながらの七回目。我ながらヤバイと思いながら見に行ったら、舞台機構トラブルで芝居が15分くらい中断するというレアな場面に遭遇した。宝塚で舞台中断するの初めて見た。

・「皆様、広間へ!」でバサッと幕が落ちて(多分)近衛騎兵隊が大階段を下りてくるシーンで、幕が不吉な音を立てながら(破れた?)バ、バサ、バササって感じで落ちる→(多分いつもはどっちかに引き抜かれるんだけど)引っ掛って階段の下に溜まる→大道具さんが必死に引っ張る(※)→ダメ→で、舞台中断(そして幕が降りた瞬間緊張が切れて笑いを漏らす客席)(再開のアナウンスが「3場Bより再開致します」だったことにもちょっと困惑の笑いが漏れてた)(どこなのそこ!?的な感じで)。

(※裏では早い段階で中断っていう判断が下されてたのかもしれないけど、(中断のアナウンスより先に)わりと普通に大道具さんが舞台に出てきたので、ちょっとツボに入った)

・階段上の近衛騎兵隊はその間普通に踊って全く動じず。プロだなあ、と思って見てた(このまま無理矢理幕踏み越えて降りてくるのかな?とか考えながら)。微動だにしない姿がむちゃくちゃかっこいいんだまた。赤い絨毯に黒い軍服、そして白手袋!最強過ぎない?

・再開は普通に幕が上がったら任官式、だった。できれば「皆様、広間へ!」から再開して欲しかったなあ、とちょっと思った。あそこ、一番かっこいいシーンなので、幕が上がるなり任官式だとちょっとカタルシスが大幅減でもったいない。

 ・「おはよう、お二人さん」の言い方は前回たまたまという訳ではなくて、やっぱり意識的に変えてる模様。状況にそぐわない(ちょっと真面目(真剣)よりに変更)ってことなのかなあ。そういうとこがフェリックスの余裕っぽくて好きだったんだけど。

・「好きな男を死なせたいのか!?」が完全に「俺は嫌だ!死なせたくない!」って聞こえるあたり、ユスポフくんは「目的を達成する過程で手に入ればいい」とかいってみせる余裕を失っている模様。

・この場面、「駅まで送ってくれ」っていうドミトリーがホント好き。フェリックスの重い愛をドミトリーは受け取れる範囲(友情の範囲)で受け取ってて、でもそれは別に「自分を愛してる人間を都合よく利用する」とかでは全然ないんですよ。ドミトリーが自分のことを愛してようが愛してなかろうが、ユスポフくんはドミトリーを愛していたいようにしか見えないし、それをドミトリーは受け入れて許してる。

・ドミトリーのおかげでロシアを好きになった(イレーネではなくイリナになった)イリナが、「我が麗しのイレーネ」と呼び掛けられて「イリナよ」(※)って言うのもいいし、それに「あなたが結婚する前の名を呼んでみたかった」と返すのもいい。すごくいい。

(※あなたが愛してくれたイレーネは、あなたを愛してイリナになったのよ/あなたを愛するイレーネはイリナなのよって言いたいんだと勝手に思ってる。作中に愛を告げる台詞が一切出てこないんだけど、こういう台詞が無数に散りばめられているのが素敵)

・ちょっと帽子被ってる時間が短すぎるんだよなあ……もうちょっと被っててもいいのよ?(←今回はちゃんと忘れずに見たけど横顔しか見えなかった)

・「バカなことをした……」の台詞回しもちょっと変わって、比較的若い感じ?

・最後、歩み寄る二人のところ、朝夏まなとが妙に晴れ晴れした表情で(前からそうだったのかもしれないけど、初めてこの場面でオペラ覗いた)、やっぱりこれは戻ってきた魂たちの場面という理解でいいんだなあ、と思った。