タカラヅカメモ

全組観劇のライトファンによる宝塚感想置き場。

花組ドラマシティ公演「はいからさんが通る」/1回目

一応さわりだけでも原作読んでた方がいいかな?とか思ってKindleで無料だった一巻を試しに落としたら、そのまま続きが気になって結局全巻読んでしまったんだけど、昔の少女漫画ってテンポがいいというか展開が早いというか、たった七巻弱なのにめちゃくちゃ内容濃かった。で、これをどうやって二時間に収めるのかしらん、て思いながら見に行ったら、紅緒と少尉が想いを通じ合って(?)シベリア行くまで(一幕)は比較的丁寧に、そこから先の諸々(二幕)は思い切りよく駆け足!というかダッシュで!!みたいなまとめ方だった。「二幕の畳み方ちょっと雑では」とは思うんだけど、そんなにダレることもなく最後まで楽しく見たので印象は悪くない。一幕の終わり方がすごく好き。柚香光って倒れるのが妙にうまい(ダンスいい人だからかな)。

少尉が日本を離れるまではかなり丁寧なので、蘭丸・牛五郎・吉次さんあたりがなかなか美味しい役になってる反面、割を食ったのが編集長と鬼島軍曹かなあ。

特に編集長は恋に落ちるまでが盛大に端折られてるのと、結婚に至るまでがハイパーダッシュモードなので、「え、この人女嫌い→紅緒認める→好きになる→結婚を決意する」までの過程で色々すっ飛ばし過ぎじゃない?いつの間に!?感が半端ない(加えでそこが端折られてるせいで、身を引くところも若干苦しい)。あと鳳月杏は首が長い人じゃないので、ああいう鬱陶しいタイプの鬘が似合ってなくてちょっともったいなかった。

 基本的に宝塚見るのに予習は必要ない派なんだけど、今回は原作読んでた方が「え、一体何があってそうなるの!?」感を感じなくて済むかも。小柳奈穂子は相当頑張ってるけど、やっぱり何も知らずに見て100%理解して楽しめるかというと難しい気がする。

誤認逮捕のくだりはあんな無理矢理(かつ謎な)オチをつけるくらいならバッサリカットした方がよかったのでは?って思った(でも少尉の見せ場だから難しいのかな)。

しかし、柚香光の少尉がとにかく麗しくて!「はいからさんが通る」のタイトル通り、やっぱり紅緒の方が主役感のある作品なんだけど、柚香光の美しさが少尉主役を成り立たせてる感あり。二幕なんかほとんどかっこいいところない(※)のに、ちゃんとかっこいい!埋没してない!(※ これ、個人的には二幕でもうちょい少尉の苦悩とか、ラリサとの関係とかを書き込んで欲しかったなあ、というのが最大の残念ポイントかも)

お祖母様が美しくて、誰だろ?っと思って幕間でプログラム買って確認したら、芽吹幸奈だった。原作とはちょっと違うんだけど綺麗でいかにも公家のお姫様感があるお祖母様で素敵。あと如月が良かった。

主題歌がすごくポップというか、疾走感のあるメロディですごく好みだった。「はいからさんが、と・お・る!」っていうところが印象的。この曲で登場人物の顔見せを兼ねたオープニングダンスがあるんだけど、アニメのOP感あって、ワクワクさせられて、それだけで結構満足感ある。大好き。

ちょいちょい少尉が、え、そこで!?っていうタイミングで軍服に着替えるので、ちょっと笑った。いや、その軍服姿がとにかくかっこいいので不満ではないんだけど。

柚香光は歌が上手くない(というか端的にいうと下手)だと思ってたら、案外うまかった。紅緒のことを見る眼差しが甘ったるくて、終始ニヤニヤできるのでもうそれだけで少尉。