タカラヅカメモ

全組観劇のライトファンによる宝塚感想置き場。

月組大劇場公演「グランドホテル」「カルーセル輪舞曲」/BD

開始3分で、「なんでこれ見に行かなかったかなあ」ってめっちゃ後悔した。まあ、忙しかったからなんだけど、お正月公演だったんだからそこでチケット抑えとけば見れたのに……。結構古い作品なので海外ミュージカルと聞いてもそんなに惹かれなかったんだけど、普通にいい作品で、何より好みだった……凹んだ。

そして、珠城りょうがとにかくかっこよかった。いやあ、かっこいい!、って思ったことはあってもときめいたことがない人だったのでちょっとびっくりした。こういう、いい人とは一概に言えない/むしろ結構ダメな人の役だと、珠城りょうの善人オーラと真面目っぽさがいいカウンターになって、すごくハマってる。意外。ジゴロとかさせちゃいけないタイプだと思ってたんだけど、勘違いだった。タイを結ぶところの端正な魅力といったら……!(案外、真風涼帆と同じ文脈でわるーい役の方がハマるタイプなのかな)

でもって、宇月颯の運転手がまたよかった。いかにもワル!って感じで、「バラして売り捌くために神様がおつくりになったようなネックレス」のくだりの台詞回しがツボ。二人の掛け合いの場面がどれも良かった。男爵みたいな男が心底嫌いなんだろうけど、「生まれながらの貧乏人は絶対こういう男にはなれない/こういう生き方はできない」って思ってるとこもあるんだろうなあって思った(それ故に嫌いだしバカにしてるし見下してるんだけど、一目おいてないこともない、みたいな)。

あと、愛希れいかと珠城りょうが宝塚には珍しい年齢設定で嬉しかった(まあ、海外ミュージカルだからだろうけど)。こういうの、大和悠河&陽月華でも見たかったなあ。「29歳と29ヶ月」「39歳と39ヶ月」のくだりが大好き。最後、回転ドアですれ違う演出も好き。ああいう、舞台の上にいる人は失ったことに気付いてない/だけど観客は知っている、っていう場面に弱いのでめちゃくちゃ泣けた。

愛希れいかって若い女の子演っても違和感ないし、花の盛りはとっくに過ぎたような女性でもハマってて、なおかつちゃんと「盛りを過ぎた美しさ」があって、何もかも完璧だった。「あなたの人生は、あなたの顔に現れてる」って最高の口説き文句では。

オットーとフラムシェンが可愛くて、「金の切れ目が縁の切れ目」って予言されてるけど、わりと幸せにオットーは死んだと思いたい。オットーって結構有能そうだし、フラムシェンもわりと堅実なタイプ(でもって彼女はそういう自分にあの一件で気付いてしまった)と思うので、案外うまくやったのでは……? 

あとは……愛希れいかの付き人! 愛希れいかを愛してる女性ってことでいいんだよね……? 隠し切れない体格の良さと難易度の高い髪型のせいで、いささかならぬオカマ感が出てて、そのせいで理解が妨げられたような気がしなくもない……(でも、暁千星はホントに上手くなったなあ、と思ったのも事実)。凪七瑠海(イスカリオテモード)とかでちょっと見たかったなあ。それか普通に娘役(そうするには、男役の役が少なすぎるんだろうけど)。

ショーも良かった。 稲葉太地作品だとカルネヴァーレの次に好きかも。