タカラヅカメモ

全組観劇のライトファンによる宝塚感想置き場。

雪組大劇場公演「ひかりふる路」「SUPER VOYAGER」/2回目

二回見ても全然満足できなかったので、三回目のチケットを探し回ってます。まあ、どこにもないんだけど。平日ならどこからか湧いて出てくるんじゃないかしら……?(でも宙組公演中にあれだけ奔放に有給取ったのに? タカラヅカスペシャル中継のために休むつもりなのに? ポーも休まなきゃ見れないよ!?)って、微妙に煩悶中。

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・開幕前に、「あの(幕の)斜めの線は「ひかりふる路」を表しているのかなあ」って言ってる人がいて、「残念それはギロチンモチーフ(多分)」って心の中でこたえたんだけど、「ひかりふる路=ギロチン無双ロード(!)」って解釈すると、色々怖いなって思った(そりゃ確かに、「ひかり(=ギロチン)」は死ぬほど「ふる(=落ちる)」んですけどね(意外と面白い解釈かもしれない))。

・あと、この印象的な斜め線モチーフがタレーラン(とか将軍たち)の衣装には使われてないように見えるので、最終的に処刑死する人だけこのモチーフの衣装なのかしらん、とかってちょっと思った……んだけど、(処刑された)マダム彩凪翔の衣装にも使われてないように見えるので考え過ぎかも(デムーラン夫人のドレスにもなかったような気がするし)。

・「どういう話なんだろう」って身構えてた前回と違って、今回は楽しみ方が分かっているので、最初から最後までとにかく楽しかった。望海ロベスピエールの何がいいって、誰の目にも明らかな「破滅」に突き進む姿が激しい光を発しているところと、ちょっとギョッとするくらいその光に力があるところなんですよね。真面目な人なのに意外と堕ちて行く(破滅に突き進む)姿に「哀れさ」「痛々しさ」みたいなものがないので、すごく魅力的だし見ていて辛くない(というか、「痛々しさ」はあるんだけど、「見ていられないような痛さ」ではない、というか)。感情が爆発するところ(「恐怖なき徳は無力である!!」)に変なカタルシスと爽快感があって、ワクワクしながら見ちゃった(※)。

(※ どちらかというと、開幕早々のサンジュストの演説(「戦場ならば敵は打ち倒すのみ。我らの敵に「裁判/法律」は不要である」(大意)のところ)の方が恐怖政治とカルト感が溢れててゾッとするし、そういう風に演出されているような気もする。ルイ十六世の処刑の場面にロベスピエールが立ち会わないのってイメージ的な配慮なのでは……?/とか思ったけど、「君のあの演説は素晴らしかった」みたいな台詞があるから、単純にロベスピエールさんをせり上がりで登場させたかっただけなのかしら……/弁護士があの演説を肯定しちゃいかんでしょ……って思うのは現代人の感覚なんですかね(正直開幕だけでいうとジロンド派に肩入れしちゃうゾ))

ロベスピエールが暗黒面に落ちてからが勝負!みたいな脚本なので、そこに至るまでが退屈になってしまうとアレなんだけど、曲に力があるのとマリーアンヌの存在がそこを埋めてくれるので、やっぱり最初から最後まで楽しかった。二回目でも「マリーさんデレるの早すぎでは?」とは思うものの、家族を失った悲しみをとりあえずロベスピエールにぶつけているだけ(=明確な憎しみがあるわけではないし、復讐対象でもない)って背景を呑み込んで見ると、そこまで違和感はない。でも、マリーアンヌってやっぱり難しい役だと思う。

・彩風ダントンが相変わらずかっこよかった。役もかっこいいし、彩風咲奈もかっこいい。「ジョルジュを呼びましょう」から説得空しく処刑までの流れがホント、文句のつけようがないくらいに完璧。あと「ジョルジュを」って言い出すのがデムーラン夫人なのもいいよね。声が凛としていて、すごくかっこいいの(彩みちるの名前をやっと覚えました/弥彦してた人ってのは分かる)。沙央デムーランはちょっと「ヘタレ」な役どころ(で、奥さんが凛々しい)なんだけど、そのデムーランが処刑台で静かにダントンを迎えるところが、泰然としていて、運命を受け入れてなお前を向いていて、めちゃくちゃかっこよくて好き。

雪組って全体的に歌のレベル高いのかなあ。メインメンバーに歌が明らかにアレな人(ハードルは相当低い)が少ないような印象。一部の難しそうな歌(を議員たちがソロで歌い継ぐところ)が苦しく聞こえた以外は、ロベスピエールの下宿先の娘さん(エレオノール)くらいしか、アレ?ってならなかったんですよね(エレオノールさんは可愛いのでちょっとくらいアレ?ってなってもセーフ)。

・「普通に出会って/結婚して/子供ができて/家族になる/そういう未来があっただろうか……?」「いやそんな未来はなかった/そうであれば私たちは出会うこともなかった」(大意)っていう最後のやり取りで盛大に泣いた。個人的にはここで一番、涙腺が刺激されます(ダントンの処刑は見せ場なので泣くというよりむしろ滾る)。

・前回に引き続き、階段の段数を数えようとして挫折した(やっぱり十三段なのかなって気になってる)。

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・前方席だったせいか、周囲のポンポン所有率に困惑する幕間(!)。

・二階席じゃなかったので、二階席の客席降りが見れなくてちょっぴり残念(二階席にどこかの高校の貸切が入っていたので、客席降りの時に盛り上がる声がかすかに聞こえて面白かった)。二階席の客席降りってびっくりしますよね。初めて見たときはめちゃくちゃ驚いたし興奮した(でも当時(百周年前)の二階席は土日でも空席が多かったので、胸も痛かった)。

・歌詞は二回目でも全然慣れなくて相変わらず恥ずかしい。ショーの歌詞(というか、役ではなくジェンヌそのものとして歌ってるシチュエーション)での、一人称「オレ」ってちょっと恥ずかしいじゃないですか(ガチファンだとそうでもないのかなあ)。ストーリー性がある場面なら別に何とも思わないんだけど。

・あと、若手のジャニーズみたいな場面の映像使いに背中のムズムズが止まらなかった。踊ってる男役はめちゃくちゃかっこいいのに、最後に文字出るあたりとか最高にダサくない……? 演出家的にはあれがミソなの……?

・でもそれ以外は大体全部好き(雑な結論)。

・アンダルシアに憧れて~♪がすごくいい曲なので、望海風斗でもっと聞きたかった。「誰か彼女に伝えてくれよ♪」のところのドラマチックさがとにかく完璧。いい歌だなあ。

・あとその一つ前の場面、ここの彩風咲奈がめちゃくちゃかっこいいんだけど、同じくらい周りの娘役がかっこよくてワクワクする。こういう、黒と赤のフラメンコみたいな衣装で、髪に赤い花を飾って扇を持って踊るのっていいですよね!すごくいい!! 歌もかっこいいし、娘役がオラオラしてるのがホント好き。もっとやって欲しい(※)(でもって、そんなにかっこいい娘役を周囲にはべらせて(はべってない…か…?)踊るっていうのが彩風咲奈の男前度を上限まで上げてる/娘役が寄り添ってくれるのも好きだけど、凛々しく並び立っているのはもっと好きです)。

(※ アパショナードの娘役群舞(階段降りてくるところ)とかね/あれは城咲あいのかっこよさに心底痺れた/あの瞬間、月組の三番手張ってたといっても過言じゃない)。

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そういうわけで、三回目のチケットを探す旅に出ます。年明け東京までWSS見に行くついでに、雪組も見てこようかなあ(どっちもチケット確保が死ぬほど大変そうだけど……)。