タカラヅカメモ

全組観劇のライトファンによる宝塚感想置き場。

月組東京宝塚劇場公演「カンパニー」「BADDY」/4回目(中継)

ラストバッディ(中継)見てきた。見始めた頃はまだまだ若手だったんだよなあ……って、宇月颯の退団が無性に感慨深かった。あと綾月せりが87期ラスト、というのにも地味に驚いた。え、そうなのか。歳を取ると、びっくりするくらい時間の経過に鈍感になるな。
そういうわけで以下、頭の悪い感想。

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・とにかく、バッディが自分のツボにドンピシャってことを再確認。歌とかダンスそのものを楽しむ素養がない(淡々と踊られると眠たくなる)人間にとって、ストーリー(あるいは明確な場面設定)があるだけで、ショーってグッと楽しみやすくなるんだよなあ(逆にいうと、「設定」がない場面は個人的にめちゃくちゃハードルが高い)。あと、感情の発露としての「歌(あるいはダンス)」が完璧に機能しているのって単純に見ていて気持ちがいいので、そういう意味で全場面ずっと楽しかった。

・上田久美子って、どちらかといえば芝居寄りというか、ストレートプレイ寄りというか、いかにもミュージカル!という感じの作風の人ではない、という印象だったんだけど、バッディ見る限り、ショーアップしたガチガチミュージカルできる人だしぜひやって欲しい、と思った。ガツンとドラマティックなヤツ。悲劇でいいから、やってくれないかなあ。

・駄作見る度に、糞みたいな台詞と矛盾だらけの脚本で説明セリフ劇やるなら、歌とダンスと舞台装置に全振りして全力でミュージカルしてくれよ(誤魔化してくれよ)(シンプルイズベストって嘯いていいのは、良質なやつだけだゾ)……って思ってたんだけど、その理想形はバッディなんじゃないかしら、ってふと思ったり(※)。

(※ バッディが糞みたいな台詞と矛盾だらけの脚本の駄作、という意味ではないんだけど、バッディをこのまま芝居にしたら、多分控えめにいってもヤバイ感じの駄作に仕上がるし、それと同じくらい(あるいはその上をいく)ヤバイやつを宝塚って定期的にやるじゃないですか。ああいうのも、割り切ってバッディみたいにやってくれたら楽しかった可能性はゼロではないんじゃないかなあ、と……つまりまあ、ミュージカルとしてショーアップしてくれたら、脚本の粗には目を瞑れるんだから(もう少し何とかしてくれませんかね)、っていう切実な話(!))

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・中継ということで、オペラを覗かなくても衣装がバッチリ見えるのが嬉しかった。バードたちの衣装が可愛くて好き。特に、バルーンワンピースみたいなやつ。色合いは派手なのに、三人組がちゃんと調和してて、監視AI(※脳内設定)なのに可愛い!(でもやっぱり、「キケン、キケン」とかの無機質な台詞回しにゾクゾクする)

・衣装といえば、王子と王女の衣装も好き。どの場面もどの衣装もホント完璧だった。二人とも紫メッシュの入った髪形で、その髪色に衣装がベストマッチ。惑星予算強奪の場面の、ちょっとギリシャ風のやつが一番好き。あと、かぼちゃパンツがこれだけ似合う男役ってそうそういないよなあ(暁千星は宝塚における、ベストかぼちゃパンツァーだよなあ)、と毎回感心する(タカラヅカの男役にかぼちゃパンツが似合う必要があるかっていうと……まあ、ないんですけど)。

・ベロアのスーツも良かったし、グッディの青いドレスも赤いドレスもホタテドレスもプリティ戦闘服(違う)も素敵だったし、衣装に関してはホント言うことがない(嘘。エビに扮したポッキーが下半身タイツ(しかも光沢あり)なことだけは、衣装担当に物申したい)(これじゃポッキーが変態じゃん……)。

・グッディバッディとクール&王女の両方を映そうとしてどっちも中途半端になってたあたりで「もうちょっとなんとかできたやろ……」って思った以外は特にカメラも不満なし。まあ、可もなく不可もなく。宙組東京千秋楽を思えば何だって許せる、かもしれない。

・人類が滅びた地球でAIたちがキャッキャウフフしてるのがピースフルプラネット、っていう脳内設定をいまだに引きずってるんだけど、人類最後の戦争(=最大規模の世界大戦)があったと仮定すれば、宝塚っていう微妙な田舎が首都になってるのも納得できるな(=大都会は完璧に焦土と化したからね仕方がないね)、ってちょっと妄想した。

・怒りのロケットが相変わらず心躍るステキな場面で、めちゃくちゃテンション上がって楽しかった。ワクワクした。「私たち今怒ってる/生きてる/涙流してる」のあたり、歌詞が完璧。ホント好き。ここで初めて、グッディたちは「生まれた」んだわ(AI設定を引きずってる)。

・他の組でも上田久美子ショーが見たい。わりと切実に。