タカラヅカメモ

全組観劇のライトファンによる宝塚感想置き場。

宙組大劇場公演「神々の土地」「クラシカルビジュー」/8・9回目

午前/午後両方見たので感想まとめたら、めちゃくちゃ長くなった。

・前から気になってたんだけど、「わしら猟に使う弾もない」とか言われてるのに、バンバン無駄弾使うドミトリーくんってどうなの? 何かしらの演出意図があるのかもしれないけど、ドミトリーが無神経な人に見えるのは微妙なのでは。

・ツィンカ突撃の場面、ほとんどのジプシーを取り逃している辺りに(突撃側の)無能感が漂いまくるので、八割くらいはちゃんと殺して欲しい(ゾバールとマキシムだけぎりぎり助かるくらいに)(ちゃんと殺して欲しいっていうとアレだな)。

・任官式の幕は落ちるんじゃなくて、本来は上に上がるものだったらしい(自分の記憶力のダメさ加減に絶望した)。

・「平たく言えば、あなたのご両親への”中傷”だ」がいつも「批判」ではダメなの?って引っかかるんだけど、でもフェリックスってちょっとそういう露悪的な物言いを好みそうなキャラクタなので、「中傷」という言葉をあえて選びそうだと思ったりもする(で、ドミトリーはその度に「まーた、こいつは誤解を招くような振る舞いをわざわざやっとるな」って呆れたり残念がったり(たまに痛快に思ったり)してる気がする)(コンスタンチンは100%善人ベースではらはらしながらフェリックスを見てるんだけど、ドミトリーは面白がってるときもある、みたいな)。

・「正しき国を!」って盛大に歌ってるけど、フェリックスって基本的に「正義」とか「正しさ」といったものに価値を認めてなくて、それらの普遍性に疑いのない人間を鼻で笑うタイプの人じゃないですか。彼が戴く正義はあくまで、自分(と近い人々にとっての限定的な)「正義」でしかないし、そうであることをフェリックスははっきりと認識している。そしてその「正義」を押し通すことの是非、を一切考慮してないし、する気がない(というか、その「正義」が、他者にとっての「正義」ではない、ということを十分に理解した上で、「僕はこれを正しいと思っている/だから押し通す/何か問題が?」って迷いがない)(※)。

(※ 異論があるなら、「自分の正義」を持ち出して来い!(叩き潰してやる)っていうのがフェリックスの考え方の基本で、それはまあ傲慢な考えといえばそうなんだけど、だからこそ「自分たちの正義」を後生大事に抱えて、それが通じる狭い範囲に閉じ篭って出て来ようとしない(他者の「正義」を認識しようとしない/自分たち「だけ」が正しいと思っている)皇后とその一家が嫌いだし、価値を認められないんだと思う)

・そういうフェリックスとは対照的に、ドミトリーはそこまで自分の「正義」を絶対的なものとは考えてなくて(というか、ドミトリーは自分の「正義」と他者の「正義」を可能な限りすり合わせようとする人なので)、もっといい、お互いが妥協し納得して共有できる穏当な落としどころ(≒「正義」)があるはずだ、と思って足掻いている。フェリックスからすればそれは夢物語だし、そういうドミトリーを、「そこまでしてやる価値もない相手に/なぜこちらが(というか僕のドミトリーが)譲歩せねばならないのか」と苦々しく(歯痒く)見ているんだけど。

・で、他者の「正義」に対してどう対応するか、というところでは対照的なドミトリーとフェリックスも、「他者の「正義」を(尊重するかは別にして)認める」という点においては一致してて、だからこそ「自分の「正義」が全員に受け入れられる訳ではない/自分の「正義」を守りたいなら(やり方はどうあれ)戦わなければならない」って考えてるところがあるんだけど、その一番の相手たる皇后はその「「正義」を巡る戦い」をいつも「いじめられた」と常に被害者側で捉えることしかできなかった/相手にもまた「正義」があるということを認識しようとしなかった。だから戦いにもならなかったし、折り合う点を見つけられる筈もなかった(※)。

(※ かといって、アレクサンドラ皇后が悪なのかというと、そういう描かれ方はされてなくて。彼女は彼女なりに必死で、他者の「正義」を認められるほどの余裕なんて持ち合わせようがなかった、というのが観客には十分に示されるので、どちらかというと同情的になるくらいだと思うんですよね。あの立場に放り込まれて、彼女を頭から批判できるほど強い人間ってそうそういないと思う。普通に見ると、皇后かオリガに感情移入するんじゃないかなぁ)

・ドミトリーによって世界を広げたオリガが、母親のもの以外にも「正しいこと」はあるのだと知って、彼女なりの「正義」を得て(見出して)、だけどそれの上で母の「正義」に殉じる判断を下す、という流れにいつも泣ける。何も知らない籠の鳥のまま死ぬより残酷なようにも思うし、同時にそれが救いとも思える。

・ツインカでドミトリーがオリガに、「なぜ反論しない?(君は反論していいんだ)」って諭す場面、あの場面に「自分が正しいと思うなら、主張しなければいけない」っていうドミトリーの考え方が一番出てて(でもってその考え方を私は好ましいと思うので)、すごく好きです。あの時、例えオリガがどんなトンチキなことを言ったとしても、ドミトリーはちゃんとフォローする気だったと思うし、予想以上にしっかりとした反論が出てきたことに、フェリックスはオリガへの認識を改めている。

・フェリックスは皇帝一家のことを嫌ってるんだけど、ここでオリガを見直す柔軟性もきちんと持っていて、それは「(怪我をした)アレクセイを車で送ってくれたんです」と取り成されても、フェリックスに態度をあらためるでもない皇后との対比があるのかも(あの場面、フェリックスに対する皇后の物言いにムッとしたり、とっさに取り成そうとしたりするドミトリーの姿に、フェリックスへの友情を見て取って毎回ニヤニヤする)。

・「ただのアレクセイでも、君にはちゃんと値打ちがあるはずだ」っていう台詞好き。

・「君が必要なんだ」に対するドミトリーの返答「汚らわしい暗殺者が?」の「?」が初日から薄くて、聞きようによってはドミトリーがフェリックスを「汚らわしい暗殺者が!」って罵ったみたいに聞こえるので、もうちょい疑問感強くてもいいのに、って毎回思う。何か意図があるんだろうか。あと、「お前がそういう風に私に語りかけるのは、いつのこと以来だろう」っていうマリア皇太后の台詞はオリガに向けてのものだと思うんだけど、直前に言葉を発しているのがドミトリーなので(そしてそれに対する返答と取れなくもないので)、いつもちょっと混乱する。

・これだけ回数見てるのにラスプーチンという役が結局掴み切れなかったという悔いは残ってて、象徴とか概念的な存在に近い(それこそ「ロミオとジュリエット」における「愛」と「死」のような)役のように思うんだけど、でもそこまで単純化されていない感じもあって、わりと、頭の中でもやもやしたまま終わった感がある。オリガにとって、ラスプーチンってどういう存在だったんだろう? 舞踏会に現れたラスプーチンを見たとき、オリガは明確に怯えている(≒「神父様」の異常性に気づきつつある)ようにしか見えなかったんだけど、でもその後を見る限りそうではない感じもして、毎回分からなくなる。

・ツィンカの場面で椅子を直してまわるユスポフくん(可愛い)に気付いた。あの人、案外気遣いの人。ジナイーダと似たもの親子なんだけど、確実に父親の血で薄まってるとこありますね。

・「どうしたの、オリガ」っていうジナイーダの怖さたるや半端ない。あの人絶対に分かってて言ってる。

・舞踏会に現れたイリナを見て、すごく苦々しい顔をするフェリックスと、「あらあらあらあら」みたいな表情のクセニヤさん、そしてアリーナ。フェリックスとアリーナって一分の隙もなく政略結婚なんだろうけどベストカップル感あって好き。

・「血友病ではないロマノフの血が必要なのだ」っていう台詞、もっと病的な持ち味の人がフェリックスを演じてたら、「ドミトリーを取り込もうとしている感」が全面的に出てきて、すごい病んだ場面になったような気がするんだけど、なんだかんだ健全なフェリックスで良かったと個人的には思う。

・ショーは思ったよりサヨナラ仕様だったんだということに今更ながら気付いて、わりといろんなところでめそめそした。

・オープニングで♪太陽色のダイヤモンドって歌いながら両手上げてちょっと身体曲げる(伝わりそうにない説明……)朝夏まなとが好き。ていうか手を広げたり上げたりしてる朝夏まなとが大体好き(だから、任官式の振り付けは最高)。

・午後公演で真風涼帆と朝夏まなとのリフトが変わってた(アクロバティックではないけどなんかやらしい振りに)ので、今更変えるって!?ってちょっとビビった。でもなんか不調があったから……てわけではないのかな。

 

・サヨナラショーがすごくよかった!

・ちょこちょこ小芝居混ぜてきて、観客もちょいちょい笑う感じで、しんみりするというよりは楽しかった。いいショーだった。

・エジプトは領地を広げている→VIVA FESTA→ソーラン宙組→TOPHAT→翼ある人びと(デュエダン)→メランコリックジゴロ→王妃の館→最後のダンス→HOT EYES→シェイクスピア、かな。

・ソーラン宙組の盛り上がりが半端なさ過ぎて、ラダメス見て込み上げていたしんみりムードが飛ぶ模様。あんなに客席がキャーキャーいうサヨナラショー初めて見た。大好き。

・デュエットダンスでつるりと滑る朝夏まなと(スモークに滑ったのかな?)。明日までだから頑張れ……とか思って、明日までという響きに勝手に凹む自分がわりと盛大にキモい。

・鞄持って真風涼帆(違うスタン)が出てきた時、「お前が好きだ!」をここでやり始めるのかと思ってめちゃくちゃニヤニヤした(しません)。メランコリックジゴロのあの歌(♪失うものなど〜)好きなので嬉しい。飲め飲めソングも好き。

・北白川右京からのトート閣下にちょっと笑った。

・最後の衣装がかたちも色合いも好き!(胸元が派手に深くてちょっとドギマギしたけど)

・本当にいいサヨナラショーだった。なんかまだ朝夏まなとの退団が実感できてないんだけど、明日の中継見ればそれなりに落ち着くでしょう。多分。まあ、東京も行きますし……

 

宙組梅田芸術劇場公演「TOPHAT」/DVD

・面白い。テレビで見ても充分面白いんだけど、これは生で見た方が断然面白い作品だったのでは……!、って色々後悔した(何で無理やりにでもチケット取らなかったんだろうね当時の私は……)。

・まあ、出会い→誤解→騒動→大団円っていう他愛もない話(※)なので、ちょっと間延び感がなくはないし、役は少ないし、歌もちょっと分かり難いんだけど、とにかく最後は皆幸せ!なハッピーミュージカルで、ハッピーミュージカルが大好きな身としては楽しかった。いかにも外国映画風の台詞回しが地味にツボ(出会いの場面の「随分スリムなお相手ね?」(大意)とか)。タップダンス好きなので、色々評価甘いところはあるかも。

(※ 物語の構成でちょっと意外だったのは、誤解のタイミングが結構早かったこと。起承転結的に言うと、「出会い(起)→ほだされる(承)→誤解(転)→大団円(結)」だと思ってたら、どちらかというと「出会い(起)→誤解(転)→でもほだされる(承)→大団円(結)」だった)

朝夏まなとも実咲凜音もとにかく台詞声が聞き易いタイプで、芝居の巧拙っていうのはまあ、最低限のレベルさえクリアしてしまえば見る人間の好み(とあと、中の人に対するイメージの影響)の方が大きいのでは?と思うんだけど、個人的な好みだけで語るなら、二人とも芝居が上手いと思った。あと実咲凜音が絵に描いたようなブロンド美女を演ってて(特に序盤)、それが意外と似合ってるので面白い。

朝夏まなとはちゃらちゃらしたスター!が似合うし、常に「主人公感」がある人なので、完璧なハマリ役だった。「主人公」を演ってここまで魅力的なのって得難い才能だと思う。ホント、真ん中が似合うんですよ!!

・七海ひろきの美貌芸が封印されてて、「ホレスはまあ三枚目かもしれないけど、でも別に美貌は封印しなくてもいいのよ?」ってちょっと思った(見たかっただけ)。「君のマニキュアが嫌い、マスカラが嫌い」「あなたの寝起きが間抜けで嫌い」「それ以外はアイラブユー」の歌が最高によかったので、なんだかんだかっこいいし美味しい役だった。これまたいかにも外国人女優的な純矢ちとせとベストカップル。

・純矢ちとせはこういう役をやって似合わないわけがないですね(でも意外と享楽的な役よりは、ジェシカ・エドワーズ(銀英伝)とか、ゾフィ皇太后エリザベート)とかの方が魅力が出る気もする)。

・七海ひろきは滑舌がいいタイプではないと思うんだけど、声が好きなので全然オッケー。逆に愛月ひかるは声が悪い(というとアレだ)(つまり好みじゃない)んだよなあ、と痛感した。台詞が聞き取れないし、聞き取ろうとするとなんだか妙に疲れる。今回ずっとまくし立ててるキャラクタだったので、余計にそうだった。

・ホレスと被ってる感あるし、見た目だけでもキラキラ貴公子(デザイナーだし)に作ったらダメだったんだろうか?海外ミュージカルだからダメ??色黒+髭が似合ってない(のか二枚目に作ろうとしていないのか、は分からない)のがとにかく勿体なかった。

・チークトゥチークのデュエットダンス!リフトが完全に遠心力ついてる系(朝夏まなとは実咲凜音の体重ではなく、遠心力を支えている)(離すと多分飛んでいく)(つい、遠心力イコールmrω^2って言いたくなる)で、すごく好き。ある意味体重を感じさせないリフトというか、体重の代わりに遠心力をビンビンに感じるというか。でもあんまり「力技(=力任せ)」感はないので、見ていて楽しい。
・娘役も全員燕尾服着てタップダンスする場面いいね!(かっこいい!)

・「神々の土地」みたいな作り込まれたシリアス芝居だと、どうしても役名が先に立ってくるんだけど、こういうコメディだと逆に中の人が先に立つ感じがあって、どっちがいいとかではなく単純に面白いと思った。

宙組大劇場公演「神々の土地」「クラシカルビジュー」/7回目

「今日も宝塚??また宙組??」って不審がられながらの七回目。我ながらヤバイと思いながら見に行ったら、舞台機構トラブルで芝居が15分くらい中断するというレアな場面に遭遇した。宝塚で舞台中断するの初めて見た。

・「皆様、広間へ!」でバサッと幕が落ちて(多分)近衛騎兵隊が大階段を下りてくるシーンで、幕が不吉な音を立てながら(破れた?)バ、バサ、バササって感じで落ちる→(多分いつもはどっちかに引き抜かれるんだけど)引っ掛って階段の下に溜まる→大道具さんが必死に引っ張る(※)→ダメ→で、舞台中断(そして幕が降りた瞬間緊張が切れて笑いを漏らす客席)(再開のアナウンスが「3場Bより再開致します」だったことにもちょっと困惑の笑いが漏れてた)(どこなのそこ!?的な感じで)。

(※裏では早い段階で中断っていう判断が下されてたのかもしれないけど、(中断のアナウンスより先に)わりと普通に大道具さんが舞台に出てきたので、ちょっとツボに入った)

・階段上の近衛騎兵隊はその間普通に踊って全く動じず。プロだなあ、と思って見てた(このまま無理矢理幕踏み越えて降りてくるのかな?とか考えながら)。微動だにしない姿がむちゃくちゃかっこいいんだまた。赤い絨毯に黒い軍服、そして白手袋!最強過ぎない?

・再開は普通に幕が上がったら任官式、だった。できれば「皆様、広間へ!」から再開して欲しかったなあ、とちょっと思った。あそこ、一番かっこいいシーンなので、幕が上がるなり任官式だとちょっとカタルシスが大幅減でもったいない。

 ・「おはよう、お二人さん」の言い方は前回たまたまという訳ではなくて、やっぱり意識的に変えてる模様。状況にそぐわない(ちょっと真面目(真剣)よりに変更)ってことなのかなあ。そういうとこがフェリックスの余裕っぽくて好きだったんだけど。

・「好きな男を死なせたいのか!?」が完全に「俺は嫌だ!死なせたくない!」って聞こえるあたり、ユスポフくんは「目的を達成する過程で手に入ればいい」とかいってみせる余裕を失っている模様。

・この場面、「駅まで送ってくれ」っていうドミトリーがホント好き。フェリックスの重い愛をドミトリーは受け取れる範囲(友情の範囲)で受け取ってて、でもそれは別に「自分を愛してる人間を都合よく利用する」とかでは全然ないんですよ。ドミトリーが自分のことを愛してようが愛してなかろうが、ユスポフくんはドミトリーを愛していたいようにしか見えないし、それをドミトリーは受け入れて許してる。

・ドミトリーのおかげでロシアを好きになった(イレーネではなくイリナになった)イリナが、「我が麗しのイレーネ」と呼び掛けられて「イリナよ」(※)って言うのもいいし、それに「あなたが結婚する前の名を呼んでみたかった」と返すのもいい。すごくいい。

(※あなたが愛してくれたイレーネは、あなたを愛してイリナになったのよ/あなたを愛するイレーネはイリナなのよって言いたいんだと勝手に思ってる。作中に愛を告げる台詞が一切出てこないんだけど、こういう台詞が無数に散りばめられているのが素敵)

・ちょっと帽子被ってる時間が短すぎるんだよなあ……もうちょっと被っててもいいのよ?(←今回はちゃんと忘れずに見たけど横顔しか見えなかった)

・「バカなことをした……」の台詞回しもちょっと変わって、比較的若い感じ?

・最後、歩み寄る二人のところ、朝夏まなとが妙に晴れ晴れした表情で(前からそうだったのかもしれないけど、初めてこの場面でオペラ覗いた)、やっぱりこれは戻ってきた魂たちの場面という理解でいいんだなあ、と思った。

 

宙組大劇場公演「神々の土地」「クラシカルビジュー」/6回目

今日は花道のすぐ横だったので、頭おかしい感想しか出てきません!やっぱ全体眺めて世界観に浸るなら二階席一択だわ……でも前で「やだ…かっこいい……かわいい……きれい……」って頭おかしくなるのもそれはそれで楽しい。すごく楽しい。

・舞踏会の場面で下手花道で踊ってる紫のドレスの娘役が可愛かったんだけど、さて、誰なんでしょうね……

・やっと居酒屋(違うツィンカ)で皆が出てくるところが見れた。でも下手側だったのでよく見えなかった(ダメじゃん……)

・日を増すごとに政治感増してる気がするドミトリー。「ラスプーチン殺したからには最後までやり遂げるしかない」っていう悲愴感が全面に出ててグッとくるし、その横で勝利を確信してるフェリックスとの対比でなんか泣ける。結局平和的に解決する方法なんかなかったんだよ(最早何もかも手遅れでしかない)……ていう無力感半端ない。

・フェリックスの方がそこらへん現実見てたような気もする(あの人、ドミトリーへの愛で判断濁ってるように見えなくもないんだけど)。好き嫌いで動いてるのか、政治的な判断なのかよく分からないあたりがユスポフくんの魅力なんかね。

・明らかに好き嫌いと面白いか面白くないかで動いてる(でも貴族だから好き嫌いを完全に切り離した観察眼を失っていない)ジナイーダが一番怖い。好き。

・「おはよう、お二人さん」の言い方が変わってた!(気がする)(個人的には前の方が好き)あと、「車で待つ!」の台詞だけ、いまだに台詞回しの意図が掴めないとこある。 

・何回見ても近衛騎兵隊の任官式がかっこよくてテンション上がるし、その後そこに皇族が並ぶのもめちゃくちゃ素敵。赤絨毯いいわあ。

・暗殺の後のシーン……というか、その後の奔流のような一連の流れが狂おしいほどに好き。一度堰を切って流れ出した歴史のうねりは誰にも止めることができない。ドミトリーはその中で懸命にもがいたし、イリナは信念に基づいて、オリガは母親への愛に殉じて、身を任せた。

・ラッダとコンスタンチンの、(結局ゾバールたちにバレなくても)絶対に幸せにはなれそうにない感。「君を妻に迎えたい」という言葉が(コンスタンチンの真剣さとは裏腹に)あまりにも虚しく響いて聞こえる。

・最後の場面、皇后とイリナが微笑み合うところで無性に涙がこみ上げてきてびっくりした。皇后の笑顔をここで初めて見るのか、と思ったらもうダメだった。

・最後、ドミトリーとイリナが向かい合って歩み寄りながら幕が降りる、という演出がホントに好き。

・神々の土地に魂たちが戻ってくる(あるいは神々の土地が魂たちの記憶を反芻してる?)あの場面があるから、なんだか清々しい気持ちで帰れるし、何度も見れるような気がする。

・ロケットで前に出てきてくるくる回ったあと、ねっとりウインク決めていった男役!カッコよかったけど誰だあれ!名札付けて!!

 

朝夏まなとの思い出

花組大劇場公演「太王四神記」(2009年)

記念すべき朝夏まなと初見なんだけど、当時はまだ「名前と顔は知ってる(多分)」くらいだったので、「朝夏まなとを生で見たぞ!」とかって思ってたわけではなかった(と思う)。でも、チュムチという役は覚えていたので、「あ、あれってそういえば朝夏まなとだったかあ」とは後々思った。あと、新人公演トークかなんかで「プルキルをやります朝夏まなとです」って言ってるのは見たような記憶がある(朝夏まなとの一番最初の印象はもしかするとそれかな)(私の中ではしばらく、「壮一帆にちょっと似た人」「プルキル似合いそう」だった)。

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花組全国ツアー公演「哀しみのコルドバ」「Red Hot SeaⅡ」(2009年)

思い出を振り返るためにWikipediaを見てて、出てたという事実に驚いた(え、出てたの!?)。

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花組梅田芸術劇場公演「ME AND MYGIRL」(2009年)

きちんと、朝夏まなとという男役を認識したのは多分この作品で、生で見る「ME AND MYGIRL」の楽しさ(※)とともに、強く印象に残っている(※ 天海版と瀬奈版を映像で見た限りでは、そんなに好きな作品とは思ってなかったので意外だった)。とりあえず、ジェラルドってアホの子じゃなかったんだ!?って、愛音ジェラルドと朝夏ジェラルドを見てびっくりした。

今でも私のベストジャッキー&ジェラルドは、壮一帆ジャッキー&朝夏ジェラルドです。根拠なく自信家で高飛車な美しい従姉と、器の大きい年下の男の子!大好き。あと、プロダクションノートの稽古場映像が相当ヤバイ代物に仕上がってて、頭おかしいほどリピートしたのを覚えている。ステージ・ドアも悪くないけど、プロダクションノートも復活してくれませんかねえ……?

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花組大劇場公演「ベルサイユのばら アンドレ編」「Exciter!!」(2009年)

アンドレ編は「朝夏まなと(と華形ひかる)が衛兵隊で一山いくらとか舐めてんのかコラ」って激怒しながら、「いやでもこれ、台詞の量とかっこよさが反比例する(あるいは台詞の量と狂気が比例する)脚本だから、台詞がない方が案外お得かも……」ってよく分からないことを考えてたような気がする。駄作なんていう言葉じゃ表現し切れないほどの放送事故だった。「Exciter!!」はすごくすごく良かったんだけど、まあ、芝居がアレ過ぎたので結局一度しか見てません(隣で「これをあと8回見るのか……」って呟いていたお姉さんのその後が気になる)。当時はまだ、「ショーだけ見る」っていう割り切り方ができてなかった。

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花組バウホール公演「BUND/NEON 上海」(2010年)

朝夏まなと結構好きだしチケット取れたし、で見に行って、「なんだよこの続き物の主人公みたいなパーソナリティの語られなさは!!(朝夏まなとに主人公属性があるからって、やり過ぎだろ!)」って怒りながら帰ってきたと記憶している。まあ、「コードヒーロー」に比べれば、良作っていってもいいくらいなんですけどね。発光するような主人公ぶりでかっこよかったんだけど、素敵なところが全然書かれていない脚本だったので、「………」ってならざるを得なかった。フィナーレで踊る朝夏まなとの手の長さが印象的。

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花組大劇場公演「虞美人」(2010年)

虞姫のお兄さん(出てきて接待されて死ぬ(!))だったと思うんだけど、最早自分の記憶があやしい。

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花組大劇場公演「麗しのサブリナ」(2010年)

朝夏まなとの記憶は全然ない。ただ、「わりといい作品なんだけど、明らかに役の数が足りないな」っていっぱしのタカラヅカファンみたいなことを考えていたのは覚えている。この頃の花組って男役がえらく豊富だった気がするので余計に。

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花組バウホール公演「CODE HERO」(2010年)

放送事故物件過ぎて、見ている間中ずっと変な汗をかいてた。序盤だけはすごく面白そうだった……という記憶があるんだけど、これは(あまりの衝撃に)記憶を改竄しているのかもしれない(朝夏×望海のコンビ芝居!みたいなワクワク感はあったような……)。ヒロインが実咲凜音だったということに、つい先日気付いた。今なら谷正純(not和物)(notコメディ)っていうだけで、見に行かないので貴重な体験をした(かもしれない)(彩風咲奈のネモ船長も当然回避しました(!))。

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花組大劇場公演「愛のプレリュード」「Le Paradis!!」(2011年)

朝夏まなとどうこう以前に、作品がもう超ド級のアレ過ぎて、「これで退団とか、真飛聖も報われないな…」って思ったことしか覚えてない(以来、鈴木圭は敬遠モード)。

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花組大劇場公演「ファントム」(2011年)

カルメンの場面で踊るセルジュの格好よさに困惑したとき、わりと好き、が好き!になった。白い軍服(だったと思う)で、まるで発光しているみたいだった。朝夏まなとって、スタイル100点満点!というタイプではないんだけど、手足がとにかく長くて、踊るとそれがめちゃくちゃ際立つんですよね。群舞だと一際目を引く。劇場で見たときのインパクトを上書きしたくなくて、未だにあの場面の映像は見ないようにしている。

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花組ドラマシティ公演「カナリア」(2011年)

ウカだと思ったのにウカじゃなかったショック(どうしてもウカ役で見たかったというよりは、「もしかして、朝夏まなとの立場ヤバかったりするの!?」っていう心配)が一番印象強い。そりゃ、カナリアは悪い作品じゃないし、刑事も悪い役では全然ないんだけど(でもって朝夏まなとは上手かったんだけど)、そういう意味で色々残念だった。

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花組大劇場公演「復活」「カノン」(2012年)

検事役だった……よね?くらいの記憶しかない(!)。

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宙組大劇場公演「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」(2012年)

原作ファンだったので、当然ウキウキで見に行って、「駄作一歩手前じゃねえか!」って発狂した記憶、朝夏キルヒはとてもとてもよかったので、それは嬉しかった。「フレイヤの星」を歌う場面はどちらも(銀橋でラインハルトと誓うところも)(亀裂が入った直後も)大好き。普通にアンネローゼに実咲凜音を配役して、普通にラインハルト・アンネローゼ・キルヒアイスの物語にしちゃダメだったのか、とは今でも思う(いや、この時の二番手格が悠未ひろだというのは分かってるんだけど)。

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植田紳爾脚本はスルーというマイルールに従って「ベルばら」と「風と共に去りぬ」はスルーした。「モンテ・クリスト伯」は見たかったけれど、色々諸事情で見られなかった。当時(2012~2014年)は仕事が修羅場っていた(月300時間くらい働いていた)(若干鬱入ってた)ので、一番ぬるぬるファンモード(大劇場公演さえちょいちょい取りこぼす)でした。

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宙組大劇場公演「白夜の誓い」「PHOENIX 宝塚!!」(2014年)

「ヒドイ役だな」というのが第一印象。「朝夏まなとの二番手時代って最後まで恵まれねえなあ」っていうのが最終的な結論。原田諒って、谷正純とか鈴木圭とか植田紳爾ほどの破壊力はないんだけど、とにかく徹頭徹尾つまらない辺りが最高に救われないような気がする(そして、脚本も派手さがないだけで静かに破綻している)(褒めるところがポスターセンスくらいしかない)。

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こうやって振り返ると、若手~二番手時代の朝夏まなとって作品にも配役にもあんまり恵まれてなかったんだなあ、としみじみ思った(よりによって「翼ある人びと」を見逃しているのでそう思うだけかもしれない)。でもまあ、トップとしての作品の引きは最強レベルによかったので、プラマイでいうとプラスなんだと思う。逆よりずっといい。

 

宙組大劇場公演「神々の土地」「クラシカルビジュー」/5回目

英伝以来3度目となるSS席。ヒェ…近い……って始まる前からビビってた。オペラ覗かなくても細かい芝居が見えるのですごく楽しい。ドアップで見ても朝夏まなとはかっこいいし、伶美うららは麗しい……。でも、舞台の迫力(特に群舞の場面)は二階席の方が断然いい。ゾバールたちが革命を煽っているところに、兵士たちに連行されるドミトリーが斜めに歩いてくる場面(♪罪は裁かれた)、あそこがすごい好きなんだけど、下手側SS席だと、イマイチ映えなくて残念だった。あそこ二階から見るとめちゃくちゃかっこいい!ですからね…

 

そういうわけで色々箇条書き。

・ドミトリーの衣装はどれもかっこいいんだけど、一番はやっぱり婚約披露〜暗殺(任官式も?)の場面の上下黒だな!という結論に達しました。あと、貴重な帽子姿(列車から飛び降りてイリナに会いに来る場面)をいつも見逃して、その度に「キーッ!また見逃した!!バカ!」って歯噛みして悔しがってる(あの場面のイリナさんが美しすぎるのが悪いと思う)。さすがに、次こそは……

ラスプーチンの登場の瞬間、普通にビビった(もう五回目なのに)。二階席だと、あらいつの間にかラスプーチンさんが銀橋に……!みたいな感じなのでなんか新鮮。

・今日のドミトリーは暗殺した後になんか吹っ切れたみたいな乾いた明るさとともに現れて、いつもより自分から進んで握手してるように見えた。ドミトリーに皇帝になる気はない(例えクーデターが成功しても(※))と思っていつも見てるんだけど、今日はちょっと前向きに見えたというか、「責任を取る=皇帝になることも視野に入れてる=でもそれはドミトリーにとって名誉ではない」みたいな感じ。印象が変わって面白い。(※ 新しい皇帝が必要なのだ!って言われてクーデターに引き込まれるけど、ドミトリー的にはずっと、「薄汚い暗殺者が皇位を得て良い訳がない」なんだと思ってる)(まあ、結構真理だと思いますけどね、その発想)

・ニコライ二世の「いい台詞」を聞くたびに、「いい人なんだけど!いい人なんだけど……!」って苦しくなるし、「あなたが愛して結婚した相手は幸せですか?」ってアレクサンドラに同情的な気持ちになる……辛い。

・ドミトリーはちゃんと、「オリガを愛している」って宣言しようとしているし、オリガはオリガで、ドミトリーがそう言ってくれればそれでいい、と思ってる(と思う)。

ラスプーチン暗殺に至ったのは、オリガとの破談が原因ではなくて、ロマノフとして守るべきは「ニコライ二世のロシア」なのか?「ロシア」なのか?てことをドミトリーが考えたからなんだと思ってる。そして、ドミトリーは「ロシアを守ること(=ラスプーチンの暗殺)」を選んだ。「ニコライ二世を裏切る」って明確に自覚してたわけじゃないんじゃないか(ニコライ二世を見てると、この人皇帝じゃない方が幸せなのでは)、と思うんだけど、でも当然、オリガにとってはドミトリーの裏切りに他ならなかった。

・オリガはイリナへの嫉妬でクーデターの件を密告した訳ではなくて、あれは単に、「クーデターは避けたい/なんとか国を立て直したい/平和的解決方法を……!」という意見の一致を見たオリガとドミトリーが、一時的に共同戦線を引いたけど、それは結局、喧嘩別れに終わってしまったという、そういう話なんだと思ってる。オリガは「ニコライ二世のロシア(ニコライ二世そのもの=家族)」を守ることを選んだし、ドミトリーは「ロシア(=ロマノフ)」を守ることを選んだ。その結果があれ。

・SS席の本領はショーで発揮された。そういう意味では、今回のショーってちょっとフォーメーションで魅せるみたいなとこが弱い気がする。

・王冠を持った朝夏まなとがせり上がってくるたびに、「それ、真風涼帆に被せる場面(ナポレオンの戴冠式みたいな)が欲しいんですけど!ダメですか!」って思う。そういう引き継ぎっぽいとこ好きなので。

・「神々の土地」が好き過ぎて、ネットの感想を貪り読んでる今日この頃。「サヨナラ作品でこれどうなの?(最後トップ一人じゃなきゃダメでしょ)」みたいな意見を散見しては、「え、そんな暗黙の了解あるの?」って困惑してる。

 

宙組大劇場公演「神々の土地」「クラシカルビジュー」/4回目

買い物に行くとか言って誤魔化して見に行ってきた四回目。正直、自分でも久しぶりのシャカリキファンモードに引き気味ではある。Wしようかな、って一瞬頭沸いたことを考えたけど、それはさすがに自重した。

ということで、以下箇条書き。

・「おめでとう、ドミトリー」って言われてもちっとも嬉しそうじゃないドミトリーがツボ。ウキウキユスポフくんには悪いけど、あの人自分が皇帝になる気ゼロじゃないですかね……

ラスプーチンの暗殺(の成功)は、フェリックスにとっては輝かしい「勝利」(だから彼は銀橋で高らかに勝利宣言を歌う)なんだけど、ドミトリーにとっては完全なる「敗北」でしかない。フェリックスと握手するときのドミトリーの表情がホントに「負けた…」って感じでグッとくる。

・「目的を達成する過程で手に入れられればいいくらいの感じ」というプログラムの記述が、初日はどちらかというとクーデターありきの突き放した愛の表現に思えたのが、いつの間にか、「愛が欲しいわけでも愛を受け入れて欲しいわけでもない。単に愛した男を皇帝にしたい(自分が満足する皇帝を戴きたい)だけ。彼こそ王座に相応しい(でもその結果愛が得られたら嬉しいな(はあと))」みたいな尽くし愛に思えてきた。真風フェリックスはちょっと朝夏ドミトリーが好き過ぎない?

・イリナはそこらへん分かってて警戒してる、のかな。イリナ的に、フェリックスがドミトリーを愛するのは全然構わないんだけど、その結果として(あるいはその過程において)、ドミトリーに彼自身の信念に反することを押し付けるような真似はして欲しくない(ま、ユスポフくんにはそんなことできないんだけど)(あ、こいつドミトリーに対しては最終的にヘタレるな(意思は無視できないんだな)、てイリナは最後の散歩の場面で気付くんだと思う)。

・毒が大体なくなって、オリガに対しても優しいお金持ちのお兄さん(ちょっと眉を顰められる性癖持ち)になってるフェリックスの代わりに徹頭徹尾貴族なのが、ジナイーダ。この人、クーデターの陰謀も楽しんでやってる愉快犯で、多分作中一番質が悪い(亡命でさえ、楽しんでる気がする)。

ペトログラードとかソビエトという名称をちょいちょいダサい(意訳)ってけなしでいくところ好き。

・任官式といい、暗殺の場面といい、大階段の使い方が神がかってる。任官式で桜木みなとがバイトしている(多分)ことに今更気付いた。

・四回目にしてラッダとコンスタンチンにうるっときた。なんか、最初の(花束贈るとかふざけんなよ、の)場面から、ラッダはコンスタンチンのこと憎からず思ってるよね……? 花束なんかもらってもどうしようもない。でも嬉しい。だけど、愛の印に花束を贈ることしか思いつかない男に、超え難い大きな隔たりを感じている。ラッダの気持ちを考えると、無性に泣ける。また、コンスタンチンが無邪気に「妻にしたい」とか言うからさあ……(結局、貴族と民衆の間に埋め切れない断絶があり、この二人はその象徴的な役どころなんだろうか)

・クラシカルビジューは王冠持って朝夏まなとがせり上がって来てから最後のパレードまでがとにかく好きで、ああ、いいもん見た…って終われるので好き。

・ルビーの場面とかかっこいい歌入れてもいいのよ?もっと印象的な振り付けはできなかったの!?ってちょっと思うけど。伶美うららの背中が美しいので全部許す。美しいものを見ることには価値がある。

 

宙組大劇場公演「神々の土地」「クラシカルビジュー」/3回目

 

先週二回目見終わった直後から既に中毒症状出て来て、「はやくもう一回見たい」ってうずうずしてたら、いつの間にか手もちのチケットがガンガン増殖してた。一体何が起こったんでしょうねえ……(当然、カードの請求額もガンガン跳ね上がってる)。

 

諸々ツボとかを以下箇条書きに。

・三回目にして今更、「え、曲どれもめっちゃ良くない…?」とか思い始めた。わりと自分が謎。民衆(ジプシー)の場面はどれもパワーあるし、最後皆出てくる場面最高に滾るし、「賽は投げられた」っていう歌がむちゃくちゃかっこいい(この歌、フェリックスが歌った後に、ゾバール(革命家たち)が繰返すのが素晴らしく皮肉)。真風涼帆と桜木みなとだと、技術的には桜木みなとの方が上手いと思うんだけど、意外にこの歌は真風フェリックスの方が押し出しが利いてて聞かせる気がする。

・ニコライ二世があくまでロシア皇帝として、「オリガを愛しているかい?」と問い掛けたら、ドミトリーは当然「はい」って即答した(できた)と思うんだけど、一人の良き父親の問い掛けにそう答えられるほどにはドミトリーは政治家じゃなかった。辛い。

・でもそういうドミトリーをフェリックスは愛してるし、私も好き(!)

ラスプーチンとの死闘を制して放心状態で階段を登るドミトリーと、「捕えなさい!」って叫ぶ皇后の場面大好き。息絶えた瞬間ラスプーチンがズルっと滑るのがいい。あれ、階段が処刑台のように見えるところまで計算されてるのかな。ライトの色温度が変わって赤絨毯の色鮮やかさが抜け落ちた瞬間、いつもゾクっとする。

・「皇太后の舞踏会には来てくれ」って言いながらフェリックスがドミトリーの手を握る(触る)場面、個人的には「色々言われたけど気にしてないから気にすんな」っていう労りのタッチであって、そこには性的なものは何もないと思ってる派。でも肩ポンとかじゃない辺りにユスポフくんの性癖はちょっと漏れてる(ドミトリーはそんなユスポフくんに慣れてるので気にもしてない模様)。

・フェリックス→ドミトリーの愛情は結構ダダ漏れてて、ドミトリーも当然気付いてはいるんだけど、フェリックスに「自分の愛をドミトリーに知って欲しい」という欲が一切ない(※)ので、「面と向かって愛を告白されたら(愛に応えて欲しいと請われたら)断るんだけど、本人にその気がないし、想われること自体は全然いやではないから特別自分から何も言わない」というドミトリーのある種愛ある(!)対応も相まって、最高に奇妙な関係が生じてる。(※ 愛を受け入れて欲しいとも思ってないような気がしなくもない)

・三回目で「クラシカルビジュー」は好きになった。まあ、私稲葉大地が結構好きなので、多少贔屓目があるような気はする。場面場面でトップ娘役のポジション作ってよう!(なんなら二つ作ってハーレム体制でもいいから…!)とも思うけど。

 

宙組メランコリックジゴロとか星組ランスロットとか/CSめも

 

 ○宙組全国ツアー公演「メランコリックジゴロ」(2015年)

そりゃまあ、朝夏まなと×真風涼帆で「メランコリックジゴロ」が似合わないわけがないですよね絶対完璧ですよねハイ完璧でした。

男役の細身で派手なドレススーツ姿が心底好きなので、朝夏まなとの格好に終始ニヤニヤ。再演花組版は壮一帆スタンが派手派手スーツ担当だったけど、今回はどっちかというと朝夏ダニエルが担当している模様。といっても、前回比で比較的シック……かな。気のせいかも。

真飛ダニエルはどことなく真面目そうなのでジゴロ設定がちょっぴり謎だったんだけど、朝夏ダニエルはどう見てもジゴロで正しい(でもワルではない)。真風スタンは(人非人だった壮スタンに比べると)、根は結構いい人かも、感あり(ちゃんとワルだけど、クズではない)(なんかこう書くと壮スタンがクズだったみたいだな)(クズじゃないけどわりと人でなしだったですよね)(大好きです)。ティーナとの間にちゃんとラブがあって嬉しい(ティーナって結構難しい役だと思うんだけど、上手かった)。実咲凛音が案外自然にフェリシアを演ってて、ちょっとびっくりした。そりゃまあ、鈍い人間には全然見えないタイプの人なので、はまってる!という訳ではないんだけど、そこまで違和感なくて可愛い。

朝夏真風コンビは二人とも背が高くてスタイルがよくて、とにかく見栄えのする並びで、こういう悪友スーツ芝居がもっと見たかったと心底思った。今となっては、ただただ切ない。

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星組バウホール公演「ランスロット」(2011年)

美穂圭子の正しい使い方とはこういうことよ!

ミュージカルシーンがどれもいい出来で、オープニングがひたすらにかっこいい。仰々しい歌詞だけどちゃんと歌詞に負けてない。このくらい雰囲気重視・気持ちよさ重視の演目が好きです(「暁のローマ」とか最高だったよね)(ちょっと違うか)。

脚本的にはまあ、色々言いたいことはないでもないんですが、流れるように場面が展開して、いい曲で綴って、という個人的に好みの構成なので文句いう気は欠片もないです。映像ですらそうなので、生で見てたら「傑作!」って叫んでたと思います。生田大和は「BUND/NEON上海」のイメージで、わりと(盛大に?)とっちらかった話を作る人だと思ってたんですけど、案外そうでもなかった。

とにかく、真風涼帆のランスロットがめちゃくちゃかっこよかった。身体があるので鎧が似合うし、緩くウェーブがかった長髪が似合う(そういえば、真風涼帆にストレートヘアのイメージがないな)(なんという、ストレートでロングヘアだったら水夏希になるというか(!))。おっとり穏やかななのに強そうで、闇落ちするのも違和感がない。よくよく考えるとアーサーの方がいい男じゃないか?って思うんだけど(これはどっちかっていうと生田先生のせい)、見ている時は「ランスロットかっこいい!抱いて!」って思うので真風涼帆最強。

天寿光希にもう少し身体があればなあ、て見ている間ずっと思ってました。いい並びだと思うんですよね。天寿光希と真風涼帆って。まあ、今更言っても詮ない話ではあるんですけど。

 

宙組初日映像とかナウオンとか望海ブリドリとか/CSめも

宙組初日映像

土曜に流れる速報と火曜以降の本放送の映像(編集)が違うということに今更気付いたヅカファン10年目。ニュース映像までちゃんと取っておくようなマメなファンじゃないので、前からそうだったのかが分からない。上田久美子作品って、劇場で見ても美しいんだけど、ちゃんと映像映えもするよね。

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宙組次回演目「天は赤い河のほとり」「シトラスの風Ⅲ」

脚本が小柳奈穂子なので心配はしてない(むしろ「ポーの一族」が心底心配)。二番手役予想は、本命:ザナンザ/対抗:ラムセス/次点:ウルヒ/大穴:ナキア皇妃なんだけど、真風カイルとの並びの見栄え(対比)を考えるとザナンザはないのかなあ。ラムセスを出すと話が長くなるし、序盤でまとめるならイル・バーニとか? 

実のところ、朝夏カイル/真風ラムセス/愛月ウルヒ/伶美ナキア/桜木ユーリ(!)の未練が捨てきれません。

青春時代に天河を読んでハマった人間としては、ユーリは男役が演ってもいいくらいの役だと思うし、オリガを見る限り星風まどかのユーリってどうなの?ロリロリキリキリし過ぎない?って心配で仕方がない。

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望海風斗 BrilliantDreams+NEXT

今日のゲストは朝夏まなと大先生です〜の朝夏まなとの後ろ髪がちょっと長めですごく好き。朝夏まなとにはチャラチャラ長髪(ちょっと伸ばしてうしろで括る)っていうのをやって欲しかった。絶対似合ったと思う。

あと、花束渡しに来たときの謎テンション。「宙組朝夏まなとです」というおざなりな(でも几帳面な)挨拶。跪いての花束献上。どれもすごい好き。

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宙組 NOW ON STAGE

ニヤニヤしながら四回見た。そろそろ家人の冷たい視線が辛い。

「この話に悪い人はいない」あたりにうんうん、て頷いたり(ラスプーチン演ってる愛月ひかるが言い出す辺りにツッコミ多数だったけど、実際そうだよね。「神々の土地」においてはラスプーチンは悪ではない)、「ドミトリーのためにフェリックスはオリガを慰めてる」の辺りにニヤニヤしたり。

フェリックス→ドミトリーの愛が増し増しになってるのは演出意図みたいなので、遠慮なくニヤニヤしようと思います。