タカラヅカメモ

全組観劇のライトファンによる宝塚感想置き場。

「カンパニー」(伊吹有喜・新潮社)/読書めも

次回月組公演の原作本。原作ってだけで買うにはちょっと高いので躊躇ってたんだけど、「伊吹有喜は結構いいから警戒せずに買うといいよ!」って教えてもらって買ったらたしかに普通に面白かった。ざっくりした感触的には、初期の荻原浩とか山本幸久みたいな印象。軽めの文体と作風で、良くも悪くも漫画的で読み易い(ただ、奥さん周りだけ妙にリアルで陰鬱で鬱々としていたのでギョッとした/「私たちいい友人になれると思うの」のくだりの薄気味悪さなんか、作中でそこだけ浮いてる気がする/ここで、作者は女の人かな?ってちょっと思った)。

原作の主人公は「奥さんに離婚を突きつけられたばかりの中年男性」なんだけど、それは設定上そうなだけで、読んでいて加齢臭が漂ってくるようなリアルさは一切ない(そこがよくも悪くも漫画的)ので、「奥さんを病気で亡くした青年」に改変されても違和感はない(でも、「総務畑一筋」「地味だけど事務屋としては有能」っていう設定にときめいたので、そこらへんが改変に伴って消えるとちょっと寂しい、かな)(リストラ候補筆頭、あたりの設定も宝塚版では消えるのかも)。珠城りょうは宝塚の男役としては珍しく「普通のサラリーマンが似合う人」なので、青柳は絶対ハマると思う。わりと受動的というか、振り回される役なので余計に。高野(美弥るりか)との掛け合いが楽しみ。あとサラリーマンものの見所って絶対「上着を脱いでシャツの袖を捲り上げて、ネクタイを胸ポケットにIN(で力仕事)」なので(そうか?)、そういう場面を無理矢理にでも入れて頂きたい…!是非…!!(ほら、防虫剤入れるところとかで……)

でもって美弥るりかの高野!これも多分ハマり役。あの人、「女関係が派手、という噂とは裏腹にちょっと潔癖症の気がある/憂愁の貴公子/衰え始める年齢に差し掛かったバレエダンサー」とか絶対似合うじゃないですか(美弥るりかって踊れる人なんだろうか、ってことだけちょっと謎だけど/ダンサーのイメージないんだよなあ)。あと、珠城りょうと美弥るりかって明らかに「作画が違う(※)」ので、「地味で堅実なサラリーマン」と「派手で美貌のバレエダンサー」のズレた異業種感にちょうどはまる気がする(※ 美弥るりかは劇画の影響受けてた時代の少女漫画/珠城りょうは劇画のニュアンスがほとんど抜けた今時の青年漫画、みたいなイメージ/星組出身者って大体劇画風の作画だと思ってる/芹香斗亜は例外)。

那由多に暁千星以外の配役が考えられないので、「あれ、じゃあ、月城かなとの役がないぞ(蒼太ってキャラじゃないし、そもそも男役の大きい役が青柳・高野・那由多くらいしかない気が……)」って読みながら悩んでいたら、「女役があるのでは」っていう電波を受信した。つまり、月城かなと→瀬川由衣。美弥高野の相手役としては体格的に無理があるような気がしなくもないんだけど、まあ、バレーボールをガチでやってた人だしちょっとくらい大きくてもへーきへーき。キャラ的にも地味で陰気な役似合うと思うし(褒めてる)。まあ、沙良でも案外面白いのでは?とも思うんだけど、月城かなとに踊れるイメージが一切ないので……(実際のところ、踊れる人なんですかね…?)(そもそも上から順に役振っていったら、那由多→月城かなと/蒼太→暁千星なんだけど)。

原作の比重的には、「青柳≒高野>瀬川>美波>沙良=那由多>蒼太>山田」みたいな印象なので、沙良役が気になる。硬質な美女(でも雰囲気は派手だし、威厳もある)で、正統派バレエっぽく踊れる人って誰がいるんだろうか。娘役に疎いのでさっぱり分からない。体制的には海乃美月か早乙女わかばなのかな、とは思うんだけど(この二人だと、ビジュアル的には海乃美月のイメージかなあ/でもあの人、良くも悪くも地味だしどことなく真面目そうなんだよなあ)。

あとは、山田重役を宇月颯で見たい(そしてキレッキレに踊って欲しい)(できれば髭で)。「今夜はベリーダンスで一稼ぎ」な乃亜は憧花ゆりので見たい(個人的にあの人が好きなだけ)(むしろ憧花ゆりのは瑞穂先生では、という気がしなくもない)(瑞穂先生はできれば五峰亜季で見たいんだけど、最近全然見てないので体調が心配/私が見逃してるだけならいいんだけど)。

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そういうわけで、普通にやったら(一時間半に納めるのにちょっと神経使いそうではあるけど)絶対面白くなると思うので、本筋には関係ないところ(スポンサーとかカネコネとかアジア人差別とか社内政治関係の諸々)で石田昌也が暴走しないことだけを願ってます(あの人センスないのにやたらと社会風刺的なことやりたがるから/下品なところよりも何よりもそこが一番好きじゃない)。めちゃくちゃ楽しみだけど同時に凄く不安!!

 

ラインナップ発表とか柚香光ブリドリとか宙組エリザナウオンとか/CSめも

星組ラインナップ発表/「ANOTHER WORLD」「Killer Rouge」

原田諒→谷正純って並びは、(いくら「ベルリン」が原田諒比でマシだったとはいえ)ちょっとどうなの……って一瞬思ったんだけど、よくよく解説読んだら落語モノだったのでほっとした。コメディの時の谷先生は(多分)大丈夫だし、落語ネタの時はもっと大丈夫。良かった。わりと楽しみ。できればガチガチの和物化粧じゃなくて、和風ビジュアル系で見たいなあ。あと、礼真琴が盛大に歌い上げるキャッチーなミュージカルナンバーが欲しい。歌詞は多少トンチキでもいいから、とにかく曲調がかっこいいやつ!

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雪組ラインナップ発表/「凱旋門」「Gato Bonito!!」

柴田作品が軒並み合わない人間なので、「凱旋門」も合わない気がしてイマイチテンションが上がらない(でも「黒い瞳」と「アルジェの男」は好き)。轟悠の声がちょっと苦手なのも懸念材料といえば懸念材料(「ロストグローリー」は楽しく見れたから、生だとそうでもないのかなあ)。しかし、轟悠の大劇場主演ってまだやるのか……(しかもそういう体制考慮して作った作品(※)じゃなくてガチのトップ主演作再演で……)っていうのが正直な感想。しばらくなかったから完全に油断してた。(※ 「ロストグローリー」とか「暁のローマ」なんかは主演格を二つ用意しよう、っていう意図が見える脚本だと思うんだけど、通常のトップ体制下で作られた作品ってまあ大体そんなことないじゃないですか。で、そういう作品で全役スライドされちゃうと役不足感半端なくない? 役足りなくない?、ってひたすらに不安でしかない。「凱旋門」ってちゃんと二番手以下も美味しい作品なんですかね……)

あと、望海風斗に猫ってイメージがなかったので、ショーは解説読みながら「???」ってなった(どっちかっていうと犬では)。

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すみれの国の華麗なる食卓

まとめて再放送されてたので録画してちまちま見た。めちゃくちゃぬるい番組だった(褒めてる)。

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Brilliant Dreams#119 柚香光<Personal>

柚香光ってあの蠱惑的な美貌と佇まいについ騙されそうになるけど、中身はどっちかというと小学生男子☆な人なのか……ってことにようやく気付いた。竹光にテンション上がってブンブン振り回している姿が、麗しいのに完璧に「男子(ていうか男児)」だった。面白いなあ。だから、案外「裏のない役」が似合う(「裏のない役」を演ってる時に「絶対この人何か企んでる/腹にイチモツ抱えてる」って思わせない)のかも。

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NOW ON STAGE 宙組エリザベート

もはや朝夏まなとなら何でも可愛い状態になっているのでアレなんだけど、トークがいい感じにゆるゆるで面白かった。「エリザベートそっちのけで踊り出す閣下」「最後のダンスは俺のものしか言ってない」、確かに。あと、愛月ルキーニのアドリブのくだりが面白かった(「「ファラオ!」って(客席の超上級生を)呼び捨てにしたから、「お、あくまでルキーニで行くんだな。いいぞ」って思ったのに、「お写真撮らせて頂いてもよろしいですか……?」って言っちゃうんだもん!」(大意)ってバカ受けしてる二人(朝夏・真風)がとにかく可愛かった)。

愛月ひかるって、スカステとかで見掛ける度に毎回、「分かり難いファッションセンス(婉曲表現)の人だな……」って首を傾げてた…んだけど、今回はルキーニコスプレなので普通にかっこよかった(愛月ひかるの名誉のために付け加えると、半分くらいは私が流行のファッションを理解してないせいだと思う…多分)。

 

月組大劇場公演「グランドホテル」「カルーセル輪舞曲」/BD

開始3分で、「なんでこれ見に行かなかったかなあ」ってめっちゃ後悔した。まあ、忙しかったからなんだけど、お正月公演だったんだからそこでチケット抑えとけば見れたのに……。結構古い作品なので海外ミュージカルと聞いてもそんなに惹かれなかったんだけど、普通にいい作品で、何より好みだった……凹んだ。

そして、珠城りょうがとにかくかっこよかった。いやあ、かっこいい!、って思ったことはあってもときめいたことがない人だったのでちょっとびっくりした。こういう、いい人とは一概に言えない/むしろ結構ダメな人の役だと、珠城りょうの善人オーラと真面目っぽさがいいカウンターになって、すごくハマってる。意外。ジゴロとかさせちゃいけないタイプだと思ってたんだけど、勘違いだった。タイを結ぶところの端正な魅力といったら……!(案外、真風涼帆と同じ文脈でわるーい役の方がハマるタイプなのかな)

でもって、宇月颯の運転手がまたよかった。いかにもワル!って感じで、「バラして売り捌くために神様がおつくりになったようなネックレス」のくだりの台詞回しがツボ。二人の掛け合いの場面がどれも良かった。男爵みたいな男が心底嫌いなんだろうけど、「生まれながらの貧乏人は絶対こういう男にはなれない/こういう生き方はできない」って思ってるとこもあるんだろうなあって思った(それ故に嫌いだしバカにしてるし見下してるんだけど、一目おいてないこともない、みたいな)。

あと、愛希れいかと珠城りょうが宝塚には珍しい年齢設定で嬉しかった(まあ、海外ミュージカルだからだろうけど)。こういうの、大和悠河&陽月華でも見たかったなあ。「29歳と29ヶ月」「39歳と39ヶ月」のくだりが大好き。最後、回転ドアですれ違う演出も好き。ああいう、舞台の上にいる人は失ったことに気付いてない/だけど観客は知っている、っていう場面に弱いのでめちゃくちゃ泣けた。

愛希れいかって若い女の子演っても違和感ないし、花の盛りはとっくに過ぎたような女性でもハマってて、なおかつちゃんと「盛りを過ぎた美しさ」があって、何もかも完璧だった。「あなたの人生は、あなたの顔に現れてる」って最高の口説き文句では。

オットーとフラムシェンが可愛くて、「金の切れ目が縁の切れ目」って予言されてるけど、わりと幸せにオットーは死んだと思いたい。オットーって結構有能そうだし、フラムシェンもわりと堅実なタイプ(でもって彼女はそういう自分にあの一件で気付いてしまった)と思うので、案外うまくやったのでは……? 

あとは……愛希れいかの付き人! 愛希れいかを愛してる女性ってことでいいんだよね……? 隠し切れない体格の良さと難易度の高い髪型のせいで、いささかならぬオカマ感が出てて、そのせいで理解が妨げられたような気がしなくもない……(でも、暁千星はホントに上手くなったなあ、と思ったのも事実)。凪七瑠海(イスカリオテモード)とかでちょっと見たかったなあ。それか普通に娘役(そうするには、男役の役が少なすぎるんだろうけど)。

ショーも良かった。 稲葉太地作品だとカルネヴァーレの次に好きかも。

宙組東京宝塚劇場公演「神々の土地」「クラシカルビジュー」/10回目

宝塚との一番違いはイリナ。明るくなってるというか、若くなっているというか、とにかくちょっとだけ口調が強くなってるような気がする(※)。ドミトリーの「バカなことをした」とかフェリックスの「おはよう、お二人さん」とか、宝塚の公演中に変わった台詞回しは基本的に変化後のまま。特別大きい演出の違いはなし……かな?(あんまり自分の記憶が信用できない)。ドミトリーが最後にイリナに会いに来る場面で、入ってきた扉がすぐに閉まらない(というかその場面が終わるまで開いたままで光が差し込んでいる)のは、宝塚とは違うような気がしなくもない。

(※ そのせいもあってか、最初のイリナとフェリックスの銀橋の会話がこれまで史上最高に刺々しかった。「ドミトリーに手を出しやがったら承知しないわよ」感をバリバリ感じた(邪推です)。この二人、見る度に印象が違うので、「フェリックスは果たしてイリナのことをどう思ってるのか問題」に答えが出そうにない)

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「ドミトリーが生きているなら、彼女に会わせてやりたかった/だから、自分のコレクションを投げ打ってでもイリナを助けようとした(けど、ダメだった)」っていうくだりで、「フェリックスってやっぱりドミトリーが最優先の人なんだな」って妙に実感した。

単に、イリナは「助かることなんて少しも望んでない(むしろロシアとともに死にたい)人」なので、それを理解した上でイリナを助けようとするフェリックスに、「ドミトリーのために、彼女には生きていてもらわなきゃ困る!イリナの気持ちなんか知ったことか!!」的な身勝手さを感じたっていうだけなんだけど(もちろん「イリナを死なせたくない」、っていう単純かつ明快な理由もちょっとくらいはあるとは思う。でもそう思ってるってことをフェリックス本人は認めたくないだろうし、絶対に認めないと思う)。

で、「ドミトリーのためならイリナの信念は無視できるのか(フェリックスのドミトリー愛重過ぎでは)」ってことがすごく面白かった(フェリックスが自分を助けるために奮闘していることをイリナが知ってたら、「私はそんなことを望んでないわ」って淡々と窘めつつ、最後には「バカね」って笑ったと思うんですよね(「ホント、恋する男ってバカね」っていう文脈で))

イリナは、「最後までロマノフであること/ロシアに殉じること」を心から望んでいる人で、ドミトリーはそれを理解しているからこそ、イリナに亡命を勧めることも、「生きていて欲しい」と口にすることもなかった(あるいはできなかった)んだけど、そこで(ちゃんと空気は読めるのに、その空気を無視して)、「でも君はイリナに死んで欲しくないだろう? 生きていてくれたら嬉しいんだろう!?」って言い放てる(しかも行動にも出てしまえる)のが、良くも悪くもフェリックスの強さだよなあ、と。

真風涼帆のフェリックスって作中ですごくスノッブに(あるいは露悪的に)振舞ってることもあって、全然「由緒正しい貴族」に見えないんですよね。どっちかっていうと、金だけは唸るほどある(歴史と格はない)ような新興貴族に見えて仕方がない(まあ、それにしては品がありすぎるんだけど)。

ジナイーダがああいう人なので、フェリックスも最初は享楽的な印象を抱いたんだけど、むしろ徹底した現実主義者であり合理主義者なのかなって最終的には思った。多分このフェリックスには女装趣味はないし、ドラッグに溺れたりもしない。史実では亡命したアメリカで「起こす事業起こす事業全部失敗した」っていう素敵なエピソードがあるらしいけれど、真風フェリックスは普通に成功させるようにしか見えなかった。「彼のように有能な人間を」ってドミトリーが言うのは別に親友の贔屓目とかじゃなくて、客観的事実なのです(でもユスポフくんモードを見てると、そうでもないような気がしてくる不思議)。

「あなたが彼にこだわるのは何故!?」ってイリナに言われて、「分かってるでしょう?」みたいな顔をするのが最高にフェリックスだし、「ドミトリーの婿入りなんぞ僕は絶対に認めない……!」って吐き捨てるのが最高にユスポフくん。自分でも意味不明だけど、どっちも大好きです。あと、皇后とその子供たちが向ける絶対零度の視線を完全に黙殺して、何の痛痒も感じてない姿に毎回ゾクゾクする(フェリックスって自分が価値を認めてない相手には驚くほど冷淡な態度を取りますよね/それが素敵だなあと思っていつも見てる)。

真風涼帆ってヒドイ男を演っても、どことなく柔らかい持ち味が当たりを和らげるようなところがあるので、とことん人格的には壊れてる(だけど主役)みたいな役が一度見てみたいです(結果的に人格が破綻している役じゃなくて、脚本でちゃんと意図して壊れてるやつ)。

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「イリナがロシアとともに死ぬことをドミトリーは分かっている」だけど「そういうイリナだから好き、というわけではない」、という初見の解釈は最後まで変わらなかったんだけど、イリナの信念(頑なに皇族の義務を果たそうとする姿勢)についてはちょっと印象が変わった。完全にポジティブなものではなくて、どちらかというとイリナを縛る「呪縛」に近いのかも、と(でもそれをイリナは受け入れているので、完全にネガティブかというとそうでもないような気がする)。

イリナがずっとまとっている悲愴感とか、「あなたはロマノフの一員としてとても立派にやってるわ」っていうジナイーダの台詞の揶揄するようなニュアンスっていうのは、「誰よりもロマノフであろうとしている」イリナの姿の痛々しさゆえなんじゃないかなあってちょっと思った。イリナ本人はそれを苦にしていないので不幸という話ではないんだけど。

あと、ドミトリーがラスプーチンの暗殺に積極的になってるというか、「暗殺っていう手段を取った時点で敗北だわ」みたいな顔を見せなくなってる気がする。「君はその目で見ているじゃないか!」で、ギョッとするほど前向きな目をしていて、大分印象変わった(良かったねユスポフくん……)

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ショーは……キンキラキンの男役総踊りのところで朝夏まなとのバチコン☆ウインクもらって(気のせい)、それだけでもう満足モード。リフトはやらしい振りのままだったし、サファイアの場面はやっぱり真風涼帆が足上げる振りに変わってた。もうこれで確定なのかな? 最初は微妙とか思ったけど、10回見て飽きなかったのでクラシカルビジューはいいショーなんだと思う。東京まで来て良かった。

飛行機が無事(!)欠航になったので新幹線で帰ります……(なお、日付変更線との帰宅競争に完敗した模様)

花組赤坂ACTシアター公演「ハンナのお花屋さん」

宙組と一緒に見てこようと決めてチケットは確保したものの、スカステでCMとか制作発表の様子なんかを見る度に「もしかして駄作なのでは」「一番嫌いな「社会に物申したい」みたいな作品なのでは」って危機感ゲージがガンガン上がってどうしようかと思ってたんだけど、まあ、とりあえず駄作ではなかった…かな。

でも好きか嫌いかでいうとあんまり好きじゃないというか、上っ面だけで社会派気取る作品が個人的に地雷なので、色々引っ掛かって素直に楽しめなかった(※)。あと主役二人に「物語」がないので(どちらかというと両親が「物語」の主役なので)、消化不良な感が否めないってのもある。まあ、結構色んなところで泣いたし、見て良かったとは思うんだけど(でも二回目見たいかと言われると見たくない)。

(※ 架空の国を舞台にして、「そういう設定」でやったらダメだったのか?、って心底謎。舞台がロンドンである必要ってある? デンマーク貴族である必要ないよね? ユーゴスラビア紛争持ち出して、薄っぺらく「職場に民族問題を持ち込まないで欲しいわ!」みたいな語り方するくらいなら、全部架空設定でよかったのでは?/この一連のくだりがあまりにも薄っぺらくて耐え切れなかった。そりゃ、セルビア人を雇ってるところにクロアチア人を新しく雇うなら、雇い主はそれ相応の配慮と根回ししなきゃダメでしょ。昨日までの隣人同士が殺し合った内戦で、しかもまだ全然「歴史」になってない最近の話じゃないのあれ。「セルビア人のコック」を悪者にして解決するような問題じゃないし、そういう認識の仕方しちゃダメでしょ。フェアトレードとかは意識高いな、って笑うだけで済むけど、こっちは全然笑えないし引く。何もかも脚本のせいで、演ってる人は何も悪くない/フェアトレードの本来の精神とかではなく、舞台での取り上げられ方が意識高い系ギャグに片足突っ込んでるってだけの話。念のため)

以上文句終わり!

とりあえず、明日海クリスが設定盛り過ぎなくらい盛ってあるのに(デンマーク貴族の血を引くオックスフォード首席の花屋って!)、「そりゃ振られるわな/恋人と長続きしないの分かるわ」ってキャラクタ造形で良かった。「高学歴で高収入!しかもイケメン!なのに何で、振られちゃうんですかねえ〜」とか言ってるけど、君たち絶対分かってるよね察してるよね、感が面白かった(そりゃ一時間置きにメール送られたら…ね…)。宝塚の男役じゃなきゃできないし、やっちゃダメな類の典型的な役ですね!(十歳以上離れた女の子に延々ネットストーキング(違う)する三十四歳の男って、普通に引くでしょ……)。あとメインカップルの年齢設定的に明日海りおが演ってるから許されるんであって、これが真風涼帆だったら絶対「ロリコン!」って誹りを免れなかった気がする。

仙名彩世は普通に若い女の子役やって似合うのが意外だった。可愛いし、幸薄いのがハマってる(いいことなのかどうかは謎)。瀬戸かずやはよくある「いい友人」の役をちゃんと美味しく演じてる印象。デパートの社長が良かった(羽立光来であってるかな?)

あとは、芹香斗亜演じる父アベルのシーンがどれも良くて、むちゃくちゃ泣いた。ハンナさんも誰か分らないけどキレイ(でも歌は微妙?)。まあ、ソフィアさんに酷すぎなのでは…って思わなくもないんだけど。アベルとハンナの話を掘り下げて主役に据えた方が良かったんじゃないかなあ。社交界デビューのところとか、ちょっとミュージカルしてて歌がかっこよくて好みだった。

ブログとかSNSを多用する演出は、結局台詞で説明するための言い訳にしかなってなかったので、あんまり評価できない。植田先生ってホント、電話が好きだなって思った(わりとどの作品でも電話が鳴ってるイメージだけど、今回の鳴り方は凄い。いつもの三倍くらい鳴ってる)。

フィナーレの衣装はあれでいいんだろうか……なんか微妙に「かっこいい!」って言いづらいんだけど。単体で見てもちょっとアレな上に、娘役と男役の取り合わせ的にも合ってない気がするんだけど……

 

東京遠征

「一回くらい東京でも見よ(ついでに花組も見てこよ)」って思って東京遠征決めたら、まさかの台風直撃! 果たして明日、無事に飛行機は飛ぶんですかねえ。行きはともかく、帰る頃に関西直撃っぽいんだけど(何とか進路逸れるか、上陸遅れてくれないものか)。

飛行機よく乗るタイプじゃない(基本関西圏オンリーのゆるファンだし出張もほとんど行かない)ので、イマイチこういう時の運航状況がつかめなくて無駄にアワアワしてる。北京空港で12時間の乗継待ち(ベンチで爆睡)とか、クアラルンプール空港で出発5時間遅れ(床で爆睡)とかそういうのは経験あるんだけど、国内線だとそういう感じじゃないんだろうか……イマイチ謎。

とりあえず行きさえすれば観劇はできるし、帰れなかったらその時はその時、かなあ(行かないという選択肢は当然ないのです)。まあ、一番の心配は明日の朝四時起きが可能なのかってことなんですけど。

あと、東京15時公演見てから20時15分羽田発で帰るというマジキチ工程組んじゃったので、台風のこと抜きにしても乗換が超心配(東京の午後公演が15時半開演なことに気付いた瞬間、血の気が引いた)。田舎者なので東京の電車で間違えない自信がない!

ホント、やり慣れないことやるとダメですね。

 

マラケシュ新人公演とかトークスペシャルとか諸々/CSめも

トークスペシャル「朝夏まなと桜乃彩音

若い。とにかく若い。声が高くて可愛い。でもところどころに今の面影もあって、(下級生モードってだけで印象はいくらか違うけど)喋り方はわりと今と変わらない。面白い。自分の映像を見た後に(照れ隠しっぽく)「わーお」って言うのがとっても朝夏まなとだった。あと、「最近可愛いって言ってるの気付いてる?」って桜乃彩音に言って、「もう、バカ」って感じに叩かれてるのもめちゃくちゃ朝夏まなとっぽい(あと「あの場面、可愛いよね」って言った朝夏まなとに「衣装がでしょ」ってツッコミつつ照れる桜乃彩音がめちゃくちゃ可愛かった)。いやあ、いいね!いいね!!いいね!!!

「(まだ入学する前、寮の説明を聞きに行くときに桜乃彩音と目が合って)同じ匂いを感じた」「田舎から出てきた子」「宝塚のことを何も知らないまま入っちゃった子」って表現してたのが面白かった。朝夏まなとってわりと私の中ではシティボーイなイメージなので(でもって若い頃の映像見ても特別「垢抜けたな~」って感じでもないので)意外な感じでもあるし、そんな二人が二人ともトップになるんだから余計面白くもある。

二人が同期ということもあって、結構遠慮がない感じでトークが進んで面白かった(「黒蜥蜴」「アデュー・マルセイユ」のトークはやっぱり野々すみ花に遠慮があるので。もちろん、お兄さん感のある朝夏まなともそれはそれでかっこいいんだけど)。

本公演の映像を見ながら、「あ、そこ、そこにいます!」って(群舞の中にいる自分の位置の)説明を放棄した朝夏まなとに、「そこじゃ分かんないよ」って突っ込む桜乃彩音が面白かったし、「音楽学校時代のまぁくんは、いつもニコニコしてて、皆に可愛がられてた(なのに、入団してからふと気付くと、いつの間にかしっかりして可愛がる方になってたからびっくりした)」って話すのがお姉さんみに溢れてて新鮮ですごく良かった。

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花組新人公演「マラケシュ 紅の墓標」(東京・2005年)

マラケシュ」はすごく好きな作品なので、新人公演を見るのがちょっと怖くもあったんだけど、メインキャストに下手な人がいないせいか、驚くほど違和感なしに見られた。引っ掛かったのは開幕早々の測量隊でわりと多めに台詞もらっている人と、あとオリガ母の歌(回想場面)くらいかなあ。イヴェットと付き人ソニアなんか、このまま本公演いけるんじゃないの?ってくらい良かった。すごく好き。

朝夏まなとはとにかく若くて、線が細くて、とても「虚無を抱えた大人の男」には見えないんだけど、でも見てて「うわあ下手だなあ」「拙いなあ」とは全然思わなかった(※)し、若いことを除けば意外とリュドヴィークという役が似合う気がした。(※ 本公演に放り込んだらそりゃ当然浮くんだろうけど、新人公演では違和感なし。歌も本役と比べなければ全然オッケー!研4(なりたて)でこれって結構すごいことなのでは)

若い分、回想場面のパリがすごく良かった。春野寿美礼の場合、若く見えないしうらぶれた感じが一切ないし、レイヤーが一枚ずれた世界で生きている感がある人なので、「金も力もない色男」はちょっと柄違いでは?感あるんだけど、朝夏まなとはここがすごくはまってる。金の薔薇を手にして、「これが本当に僕からあなたへの贈り物ならば」って歌うところがすごく良かった。イヴェットの銃を抑えて、「僕がやった。いいね?僕がやったんだ」って言うところ、ハイパー完璧だった。めちゃくちゃかっこよかった。

あと、パリでのスーツ+ベスト+シャツっていう格好がスラリとしていて、(線が細い辺りも含めて)「貧乏青年」風でツボ(この子お金ないんだろうな、って思わせるんだけど、その「お金のなさ」が清廉さとして出てて魅力になってる辺り、ショーの花形と恋に落ちるのがとても自然)(イヴェットみたいな女性にとって、「財産の有無」は男の評価項目に入ってないと思うんですよね/評価項目に入ってないだけで、イヴェットの男には「金」が必要不可欠なんだけど)。スーツの袖と裾にガッツリ伸ばした跡があって、面白かった(シャツにはなかったので、あれは別衣装なのかな)(新人公演のためだけにお直しするんだから、宝塚のお衣装部さんってスゴイ)。

今の朝夏まなとで、今の宙組で「マラケシュ」やったらどうなるんだろう?って二周目見ながらめちゃくちゃ思った。見たかったなあ。多分全然違うリュドヴィークになると思うんだけど。やるとしたら、実咲オリガ/伶美イヴェット/真風レオン/芹香クリフォード/愛月ギュンターかなあ(一体どういう世界線なのか謎な配役)。

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カフェブレイク

マラケシュ」カフェブレイクを見て、「朝夏まなと若いな!」よりも先に、「中井美穂若いな!!」って思った謎。画面がワイドじゃないだけで妙に昭和を感じた(「黒蜥蜴」ではワイド比率になってたんだけど、それだけですごく最近ぽかった)。

「過去に蓋をして生きてきたんだけど、マラケシュという辺境の地でなぜかオールスター揃っちゃって、蓋を開けざるを得なくなって……」って中井美穂が「マラケシュ」を評したくだりが結構印象的。

「黒蜥蜴」は宝塚にハマったばかりの頃に友人が年末のBS放送を録画してくれたのを見たんだけど、「あ、宝塚にもヤバいレベルの駄作ってあるんだ……」って気付かせてくれた思い出深い作品です!(春野寿美礼明智小五郎と桜一花の小林少年がめちゃくちゃハマってただけに、勿体なくて仕方がなかった)(江戸川乱歩は何も悪くない)。いくら朝夏まなと主演とはいえ、もう一回見直す気力はなかったので、カフェブレイクでさわりだけでも見れて良かった。あと、ショーのダルマ姿のインパクトが凄かった。手が細いし、足が長すぎて気持ち悪いレベル。いやあ、可愛い(!)。

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朝夏まなとサヨナラ特集で貴重な番組がガンガン再放送されて、レコーダの残量がマッハでピンチな今日この頃。「Amotion」のDVDも買ったので、しばらく朝夏まなと三昧になる予定。スカステ開局15周年記念番組も再放送してくれないかなあ!(見逃した!!)

 

朝夏DSとかぽっぷあっぷTimeとかカフェブレとか/CSめも

朝夏まなとディナーショー

4分くらいしかないダイジェスト映像だというのにイチイチ「行っときゃよかった」って後悔が押し寄せるので、驚くほど気力を消耗した。ちょっとでも行こうかな/行きたいなって思ったら迷わず行かなきゃダメですねホント(同じこと、コンサートの時にも言ってた気がする)(学習してないな……)

彩花まりに「もはやあなたなしでは生きていけない…!」ってやった後思い切り笑ってる朝夏まなとと、「俺だけを見ろよ」「お前だけを見るよ」ってウインクバチコン☆した後に完全に笑っちゃってる朝夏まなとと、恋する眼差しで朝夏まなとを見上げる桜木みなと(と、それを見ながら笑いを堪えてる朝夏まなと)が好きで仕方がない。

「俺こそが掟」って聞いた瞬間、「!!コードヒーロー!!」って閃いたあたり、自分で思っている以上にあの作品がトラウマだった模様(でも望海風斗のブリドリネクストとか見てると、演ってた人たち自身は案外あの公演が好きなんじゃないか、って気はしなくもない)。あと今更なんだけど、彩花まりが落ち着きのある美人でなおかつ歌がうまいということを知った。あまりにも遅すぎた。

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ぽっぷあっぷTime

スカステとか雑誌を見る限りでは、真風涼帆の愛称(公式)って多分「ゆりか」だと思うんですけど、大劇場周辺でごはんを食べているときに耳に飛び込んでくるタカラヅカトークにおいては、概ね100%の確率で「真風」呼びされてるんですよね。何でなんだろう。真風さんが「ゆりか」っていうよりも「マカゼ」って感じだから……? とかって脈絡のないことを考えたのは、組長が「ショーの見所」として、「まぁくんとゆりかちゃんのリフト」を挙げていたからです。朝夏まなとのことを「まぁくん」と呼ぶ人も随分少なくなってしまったなあ、などと感慨に耽りかけたところにブチ込まれた「ゆりかちゃん」の威力といったら、凄まじいの一言だった(しかもそこで映るのは、プロレス技を彷彿とさせる例のリフト)(宝塚を知らない人が「まぁくんとゆりかちゃんのリフト」と聞いて想像するのは絶対にこういうのじゃないと思う)。

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カフェブレイク

最初から最後まで朝夏まなとが光輝かんばかりに美しいし、フェルナンは素敵なクズだけどお髭がかっこいいし、公演映像がどれもいい感じに振り切れた悪役ぶりなので、終始楽しくて仕方がなかった(でも「俺はダンテス、許さない♪」って歌だけはどうかと思う)。「奥様は昨晩旦那様がひどくお殴りになられたせいで……」っていうくだり、ホント最低だし、最低過ぎて狂おしいほど好き。ここまでゲスい役で、なおかつちゃんとそれが「ゲスい役」として作られているのって素晴らしいことだと思った(宝塚ってちょいちょい人間のクズが出てくるのに、作中ではその人非人がいい人扱いされてたりしてて、「えぇ……」ってなることがよくあるじゃないですか/「バレンシアの熱い花」とか)(ああいうのが心底キライなので、ちゃんと悪人が悪人扱いされてるとそれだけで嬉しくなる)。

あと、特筆すべきハイライトとしては、前回の出演者からの質問コーナー。

七海「私のこと、どう思ってますか?」
朝夏「なんだ、その質問!かいちゃんのことどう思ってるかって……こんなところで言わせるの!?」

普通に考えて、「そんなプライベートなことをここで聞くの!?」でしかないのに、「こんなところ(テレビカメラの前)じゃなければいくらでも言ってあげるのに(いつも言ってるじゃん)」的にイケメンチャラ男感が漂うあたりがさすがだと思った(完全な邪推です)。

 

花組ドラマシティ公演「はいからさんが通る」/2回目

二回見てもやっぱり詰め込んでるしまとめ方雑だなって思うんだけど、面白かった。柚香光かっこいいわ。間違いなく少尉だわ。それだけで大勝利。

ただ皆お疲れ気味なのか、滑舌がちょいちょい気になった。紅緒さんあたりは早口の台詞が多いのでなおさら。とはいえ、ああいうキャラクタなのに鬱陶しくなくてちゃんと可愛いというのは稀有なタイプな気がする。違和感なく若いのが素晴らしい(いや、実年齢は間違いなく若いんだろうけど、娘役って案外若ぶる方が難しいので)。

お前の許嫁なら日本人ちゃうかい!っていうツッコミがない(原作ではある)とか、ラリサを見捨てることはできない!って言った直後に「僕の命にかえても」とか言い出すのはあかんやろ…とか、死んだラリサ放って行くんかい!とか、諸々気になる点はいっぱいあるんだけど、少尉と紅緒さんの恋愛模様をニヤニヤしながら見守っちゃう時点でもう大満足と言うしかない。フィナーレがノリノリでめちゃくちゃ楽しいせいもあるかも。

二回目見て気になったのは環さん。編集長と一緒で首が長くないタイプの人なのでカツラが微妙に似合ってなくてもったいないなあ、って思ってたんだけど、声がすごくキレイで美人オーラがあるので、動いてるとこを見るとはまり役だった。

あと蘭丸は女と見紛うような美少年、には見えない(キレイだけど男役の常としてオカマ感が漂う)んだけど、顔が好みだし、演技も悪くない気がして結構好き。柚香光のブリドリで見たときは紫峰七海の面影を感じたんだけど、舞台だとそうでもなかった。不思議。

「♪たとえ遠く離れても/心はいつもすぐそばに」っていうくだりが毎回好き。歌だけでめちゃくちゃ盛り上がる。今回、曲がどれもすごく良かった。

最後の挨拶で「大阪府出身鬼島軍曹役の水美舞斗から皆様に一言」って無茶振りする柚香光と、無茶振りされて「ええ〜」ってなる水美舞斗が可愛かった。仲良さそう。そういえば同期だっけか。

 

 

宙組うたかたの恋とか風と共に去りぬとか/CSめも

三連休なので色々録り溜めたものをいそいそと消化中。

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宙組全国ツアー公演「うたかたの恋」「Amour de 99!!」(2013年)

「うたかたの恋」を初めてちゃんと見たんだけど、苦手な柴田脚本なのに結構楽しかった。朝夏まなとにも、「バレンシアの熱い花」よりこっちやって欲しかったなあ(「バレンシアの熱い花」って主人公がクズ過ぎてどうも)。とはいえ、結構難しい作品のような気もする(普通に演ると、ルドルフがわりと無能になるような……)(あと、完全無欠のロリコン疑惑)。でもまあ、凰稀かなめはそういうの上手いので問題なし。ルドルフにそんなに無能感がない(というか浮世離れ感を感じる)し、プレイボーイなのにめちゃくちゃ虚無的。白い軍服がとにかく似合う(持ち味が甘い人なので、個人的には黒でビシッと決めてる方が好きだけど)。

実咲凜音が可憐で可愛らしい「青い花」で、全然若ぶってる感じがなくてめちゃくちゃ可愛かった。意外とこの人、若い役できるんだよなあ、と毎回驚く(面長の娘役ってどうしても年嵩に見えるとこあるので)。まあ、普通に少女やってるだけに、犯罪臭が増すところがあるわけですが……。

で、朝夏まなとのジャン・サルヴァドルがかっこよかった。めちゃくちゃかっこよかった。いやあ、ジャン・サルヴァドルという役がちゃんとかっこいいのか、朝夏まなとがかっこいいだけなのか、イマイチ判断がつかない(!)。いい役だと思ったんだけど、贔屓目あるかも。舞踏会で伶美ステファニー(超美人)からマリーを守ろうとするところが一番好きです。ヒーロー!って感じで超輝いてた。あと開幕、白軍服で出てきて踊るところが狂おしいほど好き。

ショーは、終始「柄に合わないことさせられてるなあ」って凰稀かなめが気の毒になったんだけど、私があの人のキャラクタを読み違えているだけなんだろうか。「トマケ」っぽい場面とかあれ、100%柄じゃないのでは……。水色と青の切替の衣装で踊る一連の場面はすごく好き。あと、朝夏まなとと実咲凜音の場面!ああいうストーリー仕立ての場面が大好物なのでめちゃくちゃ嬉しかった。ハッピーエンドなのも素敵。

凰稀・緒月のデュエットダンス(!)はなんかエライものを見てしまったというインパクトだけは半端なかった。逆では、逆ではダメだったのか。むしろ男同士ではダメだったのか。一体どの辺りに需要があるのか謎なんだけど、朝夏×女装真風とか、明日海×女装芹香とかだったら私も喜ぶので、これも喜んでる人がどこかにいるんだろうなあ、とは思った(あと生で見てたらここまでインパクトなく普通に見れたような気もしなくはない)。

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宙組大劇場公演「風と共に去りぬ」(2013年)

植田脚本で一本物という地獄の盛り合わせみたいな公演だったので当時はスルーしたんだけど、今思うと朝夏スカーレットなんだから見に行けばよかったんじゃ……!とかって後悔しながら録画をざっくり流し見て、「まあ、見に行ったら見に行ったでめちゃくちゃ文句言ってただろうな(ストレス溜めてただろうな)」って想像が何となくついたので、やっぱりスルーして正解だったという結論に落ち着きました。「明日になれば」の朝夏まなとが心震えるほど美しかったことをここに付記しておきます。

凰稀かなめにレッド・バトラーって全然柄じゃないのでは?とかって思った割には案外似合ってたのでびっくりした(意外に凰稀さんは役を選ばないよね)(その分何か、色々無理させられている感があるけど……)(凰稀&朝夏で「メランコリックジゴロ」とかも案外ハマった気がする)。