タカラヅカメモ

全組観劇のライトファンによる宝塚感想置き場。

宙組東京宝塚劇場公演「神々の土地」「クラシカルビジュー」/中継

宝塚千秋楽中継のカメラワークがあまりにも良かったのと、あれがほぼ初めての中継だったということで、これくらいが普通なのかな?とか思ってたんだけど、とんでもない勘違いだった。東京千秋楽中継のカメラワークはびっくりするくらい色々怪しかった。「ここでなんでそこなの!?」「ちょっと振ったら二人とも入るのにどうして入れないの!?」「え、入れないだけならまだしもそれで慌ただしく切り替えるの!?」「何なのその謎のバストアップは…」「今カメラの切替ミスりましたよね!?」のオンパレード。あれだ、観劇五回目くらいの細かいとこ確認するためにオペラ覗きまわる私の視界だこれ(!)。全然オペラ定まってないし、大事なところちょいちょい見落とすし、たまにオペラ落とすアレ。

まあ、最後の公演を見せてもらえるだけで満足なので、今回に関しては全然私自身としてはいいんだけど(宝塚千秋楽のカメラワークだったら…とは何度も思ったけど)、「退団のイベント」ではなく、宝塚の舞台のライブビューイング、として売り物にするなら、最低限の中継のレベルは必要なのでは…?ってちょっと思った。最近のライブビューイング推しって、「生はハードル高いけど中継なら」みたいな人を狙ってるんだろうし……(違うのかな)。

ちょこちょこ思ったことだけ箇条書きで。

・ドミトリーがすごく若くなってるので、宝塚での最初の方と比べると結構別人感があった(※)。お互い愛し合ってるし、そのことを分かってもいるけど、(自分もイリナも)愛ゆえにすべてを投げ捨てることができない、という事実にどこか苛立ちを覚えてるように見える。年齢の分だけ、イリナの方が覚悟の完了が早かったのかなあ、っていう印象。

(※ 宝塚のドミトリーはラスプーチンにドン引きしてるんだなって感じたんだけど、千秋楽のドミトリーはむしろ嫌悪感が強く出てた気がする。あと、アレクサンドラに向ける眼差しが明らかに好きじゃない/気に入らない人に向けるソレ→だから、ラスプーチン暗殺に対しても積極的に見える)

・「あなたが結婚する前の名前を一度呼んでみたかった」の後にハハって自嘲するのがすごく新鮮で、「あれ、この二人ってもしかしてプラトニックなまま終わったのかしら」って初めて思った(これまでは過激な「最後に結ばれたに決まってるだろ」論者でした)。面白い。

・ 謎カメラがちょいちょいジナイーダさんの顔を抜くので、「この人ホント性質悪いな」ってあらためて思った。「欲望に正直になりなさいよ」って迫りつつも、ドミトリーとイリナがどう対応するかっていうのを冷徹に観察してる風なのが最高に怖い。ジナイーダ的には、「愛し合ってるけど愛だけに生きられないドミトリーとイリナ」が至高なの…?(なんだかんだ二人が結ばれてドミトリーが幸せならそれでいいよ……って言いそうなユスポフくんとは対照的ですね…)

 ・最後の銀橋の歌になんかグッと来た。あそこは一瞬、ドミトリーじゃなくて朝夏まなととして見てしまうようなところがあった。退団なんだなあ、って。まだあんまり実感があるわけではないんだけど。

・サヨナラショーはやっぱり面白かった。しんみり……できない(!)。いいサヨナラショーだなあ、ってあらためて思った。翼ある人びとのデュエダン→メランコリックジゴロ→王妃の館、の流れが狂おしいほど好き。

・カーテンコールは三回目くらいからぐだぐだで、朝夏まなとがいつもの調子でパカって口を開けて笑う姿が見れて嬉しかった。あと、「今まで支えてくれてありがとう」って言われて言葉に詰まって「そんなことないですぅ…私の方が…まぁさまぁ」ってなってる真風涼帆がこれ以上ないくらいゆりかちゃんで胸が熱くなった。

・そういうわけでいい千秋楽でした。カメラワークに不満は言いつつ、ライブビューイングしてくれることには感謝しかないです。